黄大仙寺…1999年春2010/03/30 21:36

  ドロシー・ギルマン著、柳沢由実子訳
 1991年、集英社文庫
 『おばちゃまは香港スパイ』

 びっくりするようなことがミセス・ポリファックスを待ち受けていた。
 土地というものが、ごくごく貴重なこの島で、デットウィラーは ヴィクトリア・ピークのふもとの、見るからに高級住宅地と思われる区域に住んでいた。そこは街路樹が美しい気持ちのよい通りで、土地がないことなどまった く心配のない人々のための地域だった。きれいに刈り込まれた芝生が家と家の間に広がっていた。



  広州から香港に列車で戻ってくる。香港ははじめてではないが、まだ見ていなかった黄大仙寺を訪問する。香港は手狭なので、行動は行き当たりばったりでもいい。行き先が決まれば、あとは短い時間で移動するだけ。
  黄大仙寺は地下鉄の駅からも近く、とても便利。狭い香港にこんなに立派な寺があるなんて意外。線香の煙がものすごい。道教の寺院。家族みんなで願い事をす る人たちも。


 見ての通り、高層マンションも近くにある。こんなお寺の間近に迫っているのが不思議に思われる。土地が高い香港では、小さなワン ルームの部屋でもかなりの家賃をとられるらしい。狭い部屋をシェアして、現地で働いている日本人の女性もけっこういると聞く。