サン・ピエトロ大聖堂…2001年夏2010/04/13 21:37

  ジョーン・コーンウェル著、林陽訳
 『バチカン・ミステリー』
 2002年、徳間書店

 バチカンでは、朝の八時頃、誰もいないのを見計らって、お部屋に掃除に参りました。ある朝、いつものようにまいりますと、教皇様はすでにお戻りで、部屋の向こうに憂鬱そうに立っておいででした。秘書が横にいました。急いで部屋を退出いたしましたが、秘書の言葉を忘れることができません。
 『教皇様、聖ペテロであってください。あなたには権力があるのです。いじめと脅しを許してはなりません!』秘書はこの言葉を繰り返していました。



 世界の美しい寺院を紹介してきてが、世界一とも言える寺院を忘れていた。あまりにも存在が大き過ぎて、このシリーズで取り扱っていいのかという迷いもあった。それはサン・ピエトロ大聖堂。カトリックの総本山であり、ローマ法王のいるバチカン帝国の本拠地である。
 ホテル・クイリナーレに滞在していたが、さてどうやって行こうかと思案していたが、歩いて行ける距離ということが分かった。乱暴なタクシーに乗って前日の夜に着いたのだが、朝となると街の風景も全く異なる。
 朝のローマの街をゆっくり歩いていると、大聖堂が見えてきた。サン・ピエトロ広場に着く。そして大聖堂が目の前に迫ってくる。この大聖堂は4世紀のコンスタンティヌス帝の時代から建造が始まった。


 バチカンはれっきとした国家である。それを守る衛兵がいる。なんと彼らはスイス人とのこと。美しいユニフォームを身につけている。ミケランジェロのデザインによるものらしい。


 大聖堂の中に入る。緑色のマントを羽織った関係者の一団。彼らが枢機卿、大司教なのか、あるいはバチカン政府における役割もあるのか、具体的なことはよく分からない。大聖堂は荘厳な雰囲気に満ちている。