サンジェルマン・デ・プレのカフェ…1998年夏2010/04/27 22:45

 ボーヴォワール著、青柳瑞穂訳
 『人間について』
 1955年、新潮文庫

 人は、理由なく、目的なく、存在しているのです。しかし、ジャン=ポール・サルトルも、『存在と無』の中で示したように、人間の存在は、物事の凝縮した存在ではありません。つまり人間はその存在を存在すべきなのです。瞬間ごとに、彼は自分を存在させようと努力します。そして、計画というのがこれなんです。



 フランスのパリ。ここはサンジェルマン・デ・プレという地域。ここにあるこじんまりしたホテルに滞在していた。この一帯は大学なども多く、学生や文化人が集まる街。カフェでの食事、ショッピング、美術館探訪などが楽しめる地域。
 フランス文化の拠点ともなったカフェがいくつか存在する。カフェ・ド・フロールもその一つ。あまりにも有名な話だが、サルトルとボーヴォワールの交流・文化活動の場でもあった。文学、哲学、芸術などの議論もこうしたカフェで行われ、世界中の知識人に少なからぬ影響を与えた。