ベンタイン市場…2004年春2010/09/10 21:07

マルグリット デュラス著、清水徹訳
『愛人(ラマン)』
1992年、 河出文庫

 十五歳半。それは河の横断だ。サイゴンに戻るとなると、旅をすることになる。とくにバスを使うときは。あの朝わたしは、母が校長をしている女子小学校のあるサデックからバスに乗った。休暇の終わりのことなのだけれど、さて何の休暇だったか。母の小さな官舎に行って休暇をすごしたところだった。そしてその日、わたしはサイゴンの寮に帰ってゆく。現地人用バスはサデックの市の立つ広場から出た。いつものように母がついてきてくれて、運転手にこの子を頼みますよと言った、いつでも母はサイゴンのバスの運転手に、事故があったら、火事が、暴行が、バスの乗っ取りが、渡し舟のとんでもない故障があったりしたら、この子を頼みますよと言うのだ。いつものように運転手は、自分の横の、前の座席に、白人旅客用の席に私を坐らせた。



 ベトナムのホーチミン。旧南ベトナムの首都で、サイゴンという昔の名前の方がしっくりくる。ベンタイン市場はホーチミンの中でも一番の見所だ。ホテルから近かったせいもあり、ホーチミンに到着するなり、この市場に出かけた。


  衣類、食べ物などいろんなものがある。ゆっくり見て回ろうという気分になっていたが、他の場所と同じく、売込みがあまりにもしつこいのでついつい速足になってしまう。暑い国だけに、南国のフルーツも売っている。


 ベンタイン市場を出て通りを渡ろうとするが、バイクがあまりにも多く、タイミングをはかるのが難しい。市場から外に出ると、観光客目当てのバイタクやシクロが待ち構えている。ホーチミンで歩いていると一日に何十回も声をかけられる。

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