女人街…1999年春2010/10/05 23:29

森  瑤子著
『浅水湾の月』
1990年、講談社文庫

「ザ・ロビー」
   九龍公園から急ぎ足で出てきた若い女が、車の往来の激しいネイザン通りを、キンバリー通りの側にむかって突っ切ろうとしていた。流行の肩のいかった白いワンピースに、黒い短いレエスの手袋。黒い麻の小型のポーチ、そしておそろしく踵の高い黒エナメルのサンダル。小さめの白い顔に浮かんでいる表情は上品で、どこかの金持ちの美しい若妻といった印象をうける。



  香港の市街地は狭いので、その気になればすぐ行くことができる。移動すると、あまりにも近いのでそっけなく思うことも多い。
 旺角に女人街という通りがある。女性もの衣料品、雑貨、アクセサリーなどを売る露店が多い。商品からしてカラフルなものが多いので、目の保養にもいい。
 香港のお店はそれほどしつこさはないので、安心して歩くことができる。大通りもいいが、こうした路地裏に来るとなぜかほっとする。

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