レパルスベイ…1992年夏2011/03/15 21:03

森  瑤子著
『浅水湾の月』
1990年、講談社文庫

  冬以外の季節ならば、リパルス湾を望むそのパティオには白い籐のガーデン・ファーニチャーが置かれる。そして春には椿、夏にはカーネーションや百合やなでしこ、秋になると菊や真紅のけいとうといった花々が咲き乱れる。食後酒やエスプレッソを、気取った手つきで口へ運ぶ女たちの身につけている薄物が、はるか南シナ海から渡ってくる潮風になびき、男たちの口説き文句とそれを受ける女たちの忍び笑いとでさんざめいているところである。



 香港は何もかもが小さくまとまっている。箱庭のようなところ。大規模なものはないが、何でもある。小さいけれどもすべてが揃っている。
 この浅水湾(レパルスベイ)というビーチもその一つ。香港の名所ということで、タイガーバーム公園を見てから、この湾を訪れる。
 小さな砂浜だが、周囲の山々、高級マンションとが調和して、美しい光景を醸し出している。浅水湾(レパルスベイ)は映画「慕情」の舞台にもなっている。映画は勿論、その主題歌はあまりにも有名。
 このくらいの砂浜は日本ではいくらでもあるが、狭小な香港ではその価値も一層高まる。季節は夏。泳いでいる人はほとんどいない。あまりにも暑い香港の夏は海水浴には不向きなのだろうか。
 


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