アメリカ自然史博物館(その7)…1997年秋2013/03/01 20:02

『名作映画完全セリフ集 スクリーンプレイ・シリーズ 129 ナイト ミュージアム』
株式会社フォーイン スクリーンプレイ事業部、2008年

テディ:その年は1909年だった。僕はアフリカのザンベジ川を上がっていた。我々のガイドは賢いピグミーで、舌打ちだけで話すんだ。



    象の大群の展示物である。自然史を振り返ると、マンモスが存在した時代もあった。こうした大きな動物が未だに生きていることが不思議に思える。サイ、カバなど身体の大きな哺乳類がけっこういる。この時から7年後アフリカを訪問し、野生の象の大群を実際に見ることになるのだが。ザンベジ川、チョベ川をクルーズして、はじめて野生の象を見た。自然史博物館にはこうした動物関係の展示物がけっこうある。

アメリカ自然史博物館(その8)…1997年秋2013/03/05 21:41

『名作映画完全セリフ集 スクリーンプレイ・シリーズ 129 ナイト ミュージアム』
株式会社フォーイン スクリーンプレイ事業部、2008年

ラリー:この博物館はね、ほんとうにそうなるんだ。
レベッカ:何のことを言っているの?
ラリー:この博物館にある何もかもが、夜になると生き返るんだ。



    これはコンドルの類だろうか。動物の死骸に群がったりする不気味な存在である。鳥葬という言葉もあるように、地域によっては人間の死体を鳥に始末させる。日本ではそれほど巨大な鳥はいない。
    動物園で見るくらいだろうか。アフリカのボツワナでハゲタカが子象の死骸に群がるシーンに遭遇したが、死骸に群がる生き物というのはけっこういる。ハイエナもそうである。

アメリカ自然史博物館(その9)…1997年秋2013/03/08 20:00

『名作映画完全セリフ集 スクリーンプレイ・シリーズ 129 ナイト ミュージアム』
株式会社フォーイン スクリーンプレイ事業部、2008年

マクフィー博士:泡だ。
ラリー:はい、わかってます。
マクフィー博士:ネアンデルタール人の展示に。
ラリー:わかってますって。昨晩、消火器の事故がありましてね。文字通り掃除しに行く途中だったんです。



   展示の文字を見ると「王無き時代の政府」とある。かなり未開の時代のものだろう。首狩りの習慣があったのだろうか、敵の生首を干したようなものがある。今でもこんな生活を送っている部族はどれだけいるだろうか。アマゾン奥地、イリアンジャヤなどが思いつくが、観光客向けにパフォーマンスをしている場合もあるだろう。
    こうした未開の部族に焦点を当てて、文化人類学という学問が発達したが、米国はこうした分野でも先端を行っている。民族では文字を持たないものがけっこうあったし、そもそも歴史という概念を持っていない場合もあった。だから、埋もれてしまった歴史というのは無数にあるということになる。

アメリカ自然史博物館(その10)…1997年秋2013/03/12 20:45

『名作映画完全セリフ集 スクリーンプレイ・シリーズ 129 ナイト ミュージアム』
株式会社フォーイン スクリーンプレイ事業部、2008年

ラリー:やあ、君たち、火の探求かい? 終わりだよ! せいぜい励みな。



    砂漠の民に関する生活道具だろうか。こうした生活や日常に関する展示は見ていて飽きることがない。人類は火を使って暖をとり、調理をして寿命をのばしてきた歴史がある。道具を使うことによって、脳が発達し、またいろんな道具や技術を開発するという循環が生まれていったのであろう。
   イルカは脳が大きくて、賢いという説をよく聞く。人間以外の生き物の中ではかなり賢い部類に入るかもしれない。しかし、道具を作ったり、使ったりしないので、そこに限界があるという説をある本で読んだことがある。道具を発明し、使用するということは人間の証であるといえる。


アメリカ自然史博物館(その11)…1997年秋2013/03/15 20:33

『名作映画完全セリフ集 スクリーンプレイ・シリーズ 129 ナイト ミュージアム』
株式会社フォーイン スクリーンプレイ事業部、2008年

ラリー:おわっ! いいかな。あの…これはたぶん…単なる推測なんだけど、えー、その、あのローマ人のやつがちょっと生意気で、開拓時代の西部のほうへ乗り越えて行ったんだ。カウボーイはローマ兵のやつが自分の領地を乗っ取りたがっているのがわかっているから、民警団を呼び集めて、彼にかせをはめてしまったんだ。



   いつの時代のものかよく分からないが、雰囲気的にメソポタミアとかローマ初期のような印象を受ける。人類は数多くのものをつくり、それが未来には遺跡となる。アメリカは歴史が浅い国なので、こうした人類の大きな歴史とアメリカ独立革命の歴史のようなところに研究を集中できるのかもしれない。日本の場合は歴史が長いので、古代でも中世でも近世でも好きな時代を研究対象にすることができる。
    知人が開いた討論会で、時代によって人物の研究などはかなり異なってくることを再認識した。古い時代ほど人物像は漠然としてくるし、逆に英雄視することできる。時代が近いほど資料もきちんと残っているし、写真や映像があると捉え方も違ってくるだろう。アメリカのような歴史の短い国は建国の理念もはっきりしているから、決めつけた価値観を持つ傾向が強いことにもなる。

アメリカ自然史博物館(その12)…1997年秋2013/03/19 22:55

『名作映画完全セリフ集 スクリーンプレイ・シリーズ 129 ナイト ミュージアム』
株式会社フォーイン スクリーンプレイ事業部、2008年

レベッカ:いいですね。アフリカ哺乳類のホールです。こちらにジャングルの帝王ライオンがいます。そして前方にいるのが博物館全体の中でも私のお気に入りの生物であるオマキザルです。極めて聡明な類人猿で、忠実かつ寛大な性質で知られています。



   バッファローの展示物である。バッファローも、後にアフリカで野生のものを見ることになるのだが、日本にはあまり棲息していないので珍しい存在だ。沖縄の島では水牛を観光の目玉の一つとしているところもある。
   アメリカはバッファロー、バイソンなど大きな牛との結びつきが強い。数年前にアメリカで研修を受けて、セントルイスのクラブに招待された時、レストランのメニューにはバッファロー料理もあったが、それは注文しなかった。招待してくれた方はバッファロー料理を注文したのだが。

アメリカ自然史博物館(その13)…1997年秋2013/03/22 20:10

『名作映画完全セリフ集 スクリーンプレイ・シリーズ 129 ナイト ミュージアム』
株式会社フォーイン スクリーンプレイ事業部、2008年

ラリー:やあ、元気にしているかい? ニックが言ったように、今は自然博物館の警備をしている。1つ言っておこう。夜は歴史が命を吹き返す時間だ。皆の中で博物館に行ったことのある人は?



   日本の海女のような出で立ちをしている。日本のものなのかどうか分からない。あるいはポリネシアの島あたりだろうか。少なくともこの展示はアメリカ本土に関わるものではないだろう。日本に海女という職業があることは海産物が豊富だということの裏返しである。
   アメリカというと肉というイメージがあるが、最近ではどこに行っても寿司屋があるように、魚もかなり消費されるようになってきた。こうした民俗学のような研究は何よりもフィールドワークが重要である。この自然史博物館は難しい展示物はないので、子供でも楽しめる。

ルーブル美術館(その1)<入り口>…1998年夏2013/03/26 21:14

エミール・ゾラ著、清水正和訳
『制作(上)』
岩波文庫、1999年

   ああ、あの愚かな手さぐりの時期!自分とは全く考え方のちがうあの間抜けじじいに、手をへらで叩かれつづけてばかげた練習をしていた六か月間!今となってはいまいましいいかぎりだ。とうとう、ルーヴルでの模写はやめだと宣言してやったのだ。
   模写なんて、いま現に生きている世界のヴィジョンを永久にぶちこわしてしまうだけだ。そんなことで目をだめにしてしまうくらいなら、腕を切り落とした方がましだと。



   パリに行って、ルーブル美術館を見ない選択肢はない。パリに限らず、大都市は地下鉄が発達しているからどこへ行くにも便利だ。日本や欧州の大都市の場合、地下鉄が一番便利だ。ただ、アメリカの場合は、大都市でもニューヨークなどを除くと、それほど公共交通が発達していないので観光しにくい面もある。
   パリの市街地は集積がうまくいっており、面積も狭いので主だった観光地へは簡単に行ける。目指すルーブル美術館へも問題なく移動できた。まずエスカレーターをのぼる。入場券を買う窓口にはけっこう行列ができていた。

ルーブル美術館(その2)<入り口>…1998年夏2013/03/29 19:42

エミール・ゾラ著、清水正和訳
『制作(上)』
岩波文庫、1999年

   とたんに二人は爆笑した。ルーヴルにはこんなふうに描かれた絵はないというのだろう。こんなのを見たこともないのなら、見せてやるまでだ。そして公衆の度肝を抜いてやるんだ!



    成田からパリへの直行便がとれず、キャセイ航空となったので、香港で乗り換えが必要だったため、全体のスケジュールも窮屈になる。パリを効率的に巡る必要があった。何しろパリは世界一の観光地なのだ。地球のあらゆる地域から観光客が押し寄せ、エッフェル塔やらルーブル美術館やらを訪問することになる。
    ルーブル美術館はピラミッドの形をしたところが入り口である。 地下までエスカレータで降りる。もともと、この美術館は城塞だった場所が出発点となっている。フランソワⅠ世という王様がルーブル宮殿を建設しようとしたが、その夢が適う前に亡くなってしまった。