オルセー美術館(その13)<モネの『睡蓮の池、バラ色の調和』>…1998年夏2013/05/21 20:49

エミール・ゾラ著、清水正和訳
『制作(下)』
岩波文庫、1999年

   まもなくクロードの生活は、完全に絵のためだけのものになった。広いアトリエの調度品は、ごく簡素なものだった。椅子が数脚、ブルボン河岸以来の使い古した長椅子、それに、古道具屋から百スーで買った樅の木のテーブルだけだった。



   これはモネによる有名な作品。小さな湖とそれにかかる橋がいい題材となっている。小さな自然を愛する日本人にも受け入れられやすい作品だ。色使いもなかなかいい。秋の紅葉の美しさが何ともいえない。人間といいい自然といい風景といい、印象派の絵画は何でもうまくはめてしまう。『睡蓮の池、バラ色の調和』という作品だが、なんでも日本の浮世絵の技法を参考にし、太鼓橋をイメージして描かれたという。