ワイルドライフシドニー動物園(その36)…2015年秋(現地は春)2016/09/01 08:54

越智道雄/百々佑利子監訳
『現代オーストラリア短編小説集 (上)』
評論社、1983年

ハル・ポーター著、百々佑利子訳
<ミスター・バタフライ>(ラの右側に傍点)
   この仏壇にはびんも二本はいっていて、一本はサントリー・ウィスキーで、もう一本は得体の知れぬ下剤。


   二匹いたうちの一匹のコアラ。上の方にいたコアラである。思いっきり背伸びをしている。というか背をそらしている。ただ位置は変わらず、どっしりと木に座っている。こうやって近くで見られるということはコアラはおとなしい動物ということだ。


ワイルドライフシドニー動物園(その37)…2015年秋(現地は春)2016/09/02 08:49

越智道雄/百々佑利子監訳
『現代オーストラリア短編小説集 (上)』
評論社、1983年

ハル・ポーター著、百々佑利子訳
<ミスター・バタフライ>(ラの右側に傍点)
   日本式の居間というのは、畳敷き、障子、押入れは作りつけでひっこんでいて、ぽつねんと飾りがひとつ、家具はなし、簡素で、からっぽ、むだがなさすぎる洗練さ。


   こっちは下の方にいたコアラ。こちらもなかなかいい表情をしている。コアラは思慮深い感じがして、見ている者も安心した気分になる。彼らは寝ずに起きている。夜行性ということではないのだろうか。こんな明るい空間に置かれているし。


ワイルドライフシドニー動物園(その38)…2015年秋(現地は春)2016/09/03 10:11

越智道雄/百々佑利子監訳
『現代オーストラリア短編小説集 (上)』
評論社、1983年

ハル・ポーター著、百々佑利子訳
<ミスター・バタフライ>(ラの右側に傍点)
やつは、ほかにも、偶然かきわめて深遠にか、あることを見せてくれた。


   これは5メートルもあるワニのレックスを横から見たところ。ゆっくり動いていたが、止まってしまった。他の魚も泳いでいる。これはエサということではないだろう。巨大ワニのこれだけの身体を維持するためには、相当量の食事が必要だろう。


ワイルドライフシドニー動物園(その39)…2015年秋(現地は春)2016/09/04 06:18

越智道雄/百々佑利子監訳
『現代オーストラリア短編小説集 (上)』
評論社、1983年

ダル・スティヴンス著、小野木淳子訳
<ディンゴ>
   その赤味がかった茶色の毛並みはつやつやしていて、先の白いふさふさした尻尾をピンと立てて走っていく。


   もっと近づいて、横からワニのレックスを見る。確かに大きい。迫力がある。泳いだり、動いたりするところを見たいが、静止してしまった。一言で5メートルというけど、半端な大きさではない。この飼育環境を維持するだけでも大変だろう。飼育員は中に入ってエサをやるのか。上から落とすのか。池の掃除はどうするのか。いろいろ気になるところである。


ワイルドライフシドニー動物園(その40)…2015年秋(現地は春)2016/09/05 08:54

越智道雄/百々佑利子監訳
『現代オーストラリア短編小説集 (上)』
評論社、1983年

ダル・スティヴンス著、小野木淳子訳
<ディンゴ>
「兎は有害動物さ。ディンゴだってそうだ!」と彼は言った。


   名残惜しいが、動物園をあとにする。ここだけは絶対に見たいと思っていたので、十分に満足ができた。最後に入口の写真を撮っておいた。入った時に何枚か写真を撮られて、それがベースとなってアルバムができていた。そのまま出ようかと思ったが、二回目に見た時に、係の人がさっとこれをとってレジに持って行った。動物園の入場料が4,000円、さらにこのアルバムが4,000円。ちょっとした出費になってしまったが、海外にいることもあり、勢いでこちらも買ってしまった。


ウィーン・ハイリゲンシュタットを歩く(その1)…2016年夏2016/09/06 08:50

ロマン・ロラン著、片山敏彦訳
『ベートーヴェンの生涯 』
岩波文庫、1965年

〈ベートーヴェンの生涯〉
   私はパリから飛び出して、十日のあいだ、ベートーヴェンのもとに隠れ家を求めに行った。


   オーストリアのウィーンに滞在していた。音楽の都だけあって、音楽家の記念像も多い。特に市立公園の中には世界的に有名な音楽家の記念像が多い。ベートーヴェンの像は市立公園の端っこ、あるいは公園を出たところだろうか、そこにあった。


ウィーン・ハイリゲンシュタットを歩く(その2)…2016年夏2016/09/07 08:48

ロマン・ロラン著、片山敏彦訳
『ベートーヴェンの生涯 』
岩波文庫、1965年

〈ベートーヴェンの生涯〉
世界がこの『ベートーヴェン』をつかんだ。


   ウィーン市立公園には、後ほど紹介したいが、金色のヨハン・シュトラウスの像があり、その他に、シューベルト、ブルックナーなど音楽家の像がある。他の音楽家の記念像に比べて、ベートーヴェンの記念像は大きくて、貫録があった。市立公園を出て、意外なところにあったので、印象も強かった。あるホテルの真ん前で、こじんまりとした広場になっているところ。


ウィーン・ハイリゲンシュタットを歩く(その3)…2016年夏2016/09/08 08:49

ロマン・ロラン著、片山敏彦訳
『ベートーヴェンの生涯 』
岩波文庫、1965年

〈ベートーヴェンの生涯〉
   私のこの小さな『ベートーヴェンの生涯』の中には、消え失せた彼らの魂のおもかげが宿っている。


   ウィーンの中心街から地下鉄に乗って、ハイリゲンシュタットに着いた。ガイドブックにはウィーン郊外との説明があったが、20分くらいしかかからない近い距離にある。シェーンブルン宮殿を見た後で、地下鉄に乗ったが、ハイリゲンシュタットが終点なのでわかりやすかった。4号線(緑)を使って、迷わず駅に着いた。


ウィーン・ハイリゲンシュタットを歩く(その4)…2016年夏2016/09/09 08:56

ロマン・ロラン著、片山敏彦訳
『ベートーヴェンの生涯 』
岩波文庫、1965年

〈ベートーヴェンの生涯〉
私が英雄と呼ぶのは心に拠って偉大であった人々だけである。


   ハイリゲンシュタットの駅を出る。改札の手続きも何もないから、とても楽だ。天気にも恵まれた。この日のウィーンは最高気温が25度、最低気温は16度だった。朝晩は涼しいが、日中は意外と体感温度が高い。木陰にいくと、とても涼しく感じるが。ハイリゲンシュタットはもっとさびれたところかと思っていたが、それなりに賑わっている。ちらほらと観光客らしき人の姿も見えた。


ウィーン・ハイリゲンシュタットを歩く(その5)…2016年夏2016/09/10 06:50

ロマン・ロラン著、片山敏彦訳
『ベートーヴェンの生涯 』
岩波文庫、1965年

〈ベートーヴェンの生涯〉
この雄々しい軍団の先頭にまず第一に、強い純粋なベートーヴェンを置こう。


   ハイリゲンシュタットについては、ガイドブックでも簡単な説明がある程度。どちらに向かっていいのかよく分からなかったが、ハイリゲンシュタット駅を出て、小さな公園に向かう。けっこう立派な建物が見えた。駅の真ん前だから便利な場所ではある。住宅か病院か、そんなところだろうか。後で調べたら、分かったけど。それは、後で記すこととしよう。