ブラチスラヴァ(スロヴァキア)旅情(その30)…2016年夏2017/02/01 09:06

ベドナール著、栗栖継 訳
『現代東欧文学全集 10 時間と分』
恒文社、1973年

〈建ちかけの家〉
満員のアジテーション・センターは静かだった。


   こんなところにアラビア語みたいな看板の店がある。”SHAWARMA KING”という名前だろうか。ケバブのおいしい店ではあるらしい。ウィーンでもこうしたケバブ系の屋台は多かった。日本でもこんな店が増えつつある。ハンバーガーという文字や写真があるが、ケバブ風味のハンバーガーが中心ということだろうか。


ブラチスラヴァ(スロヴァキア)旅情(その31)…2016年夏2017/02/02 09:42

L・ムニャチコ著、栗栖継 訳
『遅れたレポート』
岩波書店、1990年

〈墓地にて〉
   周辺をトロリーバスが走り、電車が軋んだ音を立て、自動車のエンジンが唸り声をあげている。


   ここはスロヴァキアの国旗も飾ってあり、正真正銘のスロヴァキアビールを出す店らしい。スロヴァキア人のビール好きは有名である。左に書いてある”10”とか”12”という数字はポップの量で、かなり風味が違ってくるようだ。右側が量と値段。欧州の人は日本のようにおつまみや料理を大量にたのんで、飲むことはあまりしないようだ。こちらはあまり飲めないので、アルコールだけ飲むのはちょっと苦手だが。


ブラチスラヴァ(スロヴァキア)旅情(その32)…2016年夏2017/02/03 10:34

L・ムニャチコ著、栗栖継 訳
『遅れたレポート』
岩波書店、1990年

〈墓地にて〉
   私のいとしい、よい人、あの人は、拷問されているかもしれない、打たれているかもしれない。


   正面に見えるのはミハエル門。ブラチスラヴァの旧市街に入る4つの門のうちの一つで、現在はこの門しか残ってないようだ。そういえば、リトアニアのヴィリニュスでも「夜明けの門」という城門を見たが、やはり現存するものはそれ一つだけだった。このあたりやたら国旗が多いが、大使館ではないかと思う。昔からの由緒ある建物が大使館になっているとすれば、それは素晴らしいことだ。日本国内の外国の大使館は現代建築ばかりで、ちょっと趣に欠ける。


ブラチスラヴァ(スロヴァキア)旅情(その33)…2016年夏2017/02/04 07:29

L・ムニャチコ著、栗栖継 訳
『遅れたレポート』
岩波書店、1990年

〈苦しみの庭〉
被告は青ざめた顔をしていた。
 

   ここもお土産屋であることはすぐわかる。やはりクリムトの関係のお土産が多い。クリムトはオーストリアの画家として有名だが、昔のオーストリア帝国は今のオーストリアよりもかなり大きかったから、狭く考えない方がいいだろう。ここではワインらしきものも売っているようだ。ブラチスラヴァという文字の入った帽子も売っている。


ブラチスラヴァ(スロヴァキア)旅情(その34)…2016年夏2017/02/05 07:28

L・ムニャチコ著、栗栖継 訳
『遅れたレポート』
岩波書店、1990年

〈苦しみの庭〉
   その時私の体の中で、一種の転換がおこなわれた。


   これはミハエル門を間近に見たもの。下から見上げた構図である。フラヴネー広場、ブラチスラヴァ城と並んで、ブラチスラヴァの観光の目玉の一つと言える。そんなに大きな門とは言えないが、由緒ある美しいところである。朝が早くて他の観光客がほとんないが、こういう光景も独特の趣がある。


ブラチスラヴァ(スロヴァキア)旅情(その35)…2016年夏2017/02/06 08:57

L・ムニャチコ著、栗栖継 訳
『遅れたレポート』
岩波書店、1990年

〈二人の友〉
   苦しんだのは、有罪判決を受けた当人だけではありません。


   狭い路地を歩く。どこかの美術館だろうか。こぎれいな垂れ幕が出ている。紙の作品の展示があるのだろうか。右側にある扉の多い白い建物がとても美しい。こんなに多くの扉があるのはとても不思議だ。他の通行人も誰もいなくて、ひっそりとしている。


ブラチスラヴァ(スロヴァキア)旅情(その36)…2016年夏2017/02/07 08:25

L・ムニャチコ著、栗栖継 訳
『遅れたレポート』
岩波書店、1990年

〈二人の友〉
   尋問が二月つづいたのち、わたしは何もかも認めたのです。
 

   ちょっとした通り。曲がり角が曲線になっている。街中はどこも小奇麗で、美観を損ねるような看板やのぼりもほとんどない。ブラチスラヴァは人口40万人ほどの小さな首都である。東京の一部の区よりも人口は少ない。ウィーンの市街を見る前にこの街に来てしまったから、この時点ではウィーンとの比較をする視点はなかった。


ブラチスラヴァ(スロヴァキア)旅情(その37)…2016年夏2017/02/08 08:55

L・ムニャチコ著、栗栖継 訳
『遅れたレポート』
岩波書店、1990年

〈カードル伝説〉
彼は私を無理にテーブルのところに連れて行った。


   ここは大統領官邸。スロヴァキアは共和制で、元首として大統領がいる。フランスや韓国のように大統領とは別に首相もいる。この大統領官邸は「グラサルコヴィッチ宮殿」とも呼ばれ、有力貴族のためにつくられた建築物である。


ブラチスラヴァ(スロヴァキア)旅情(その38)…2016年夏2017/02/09 10:45

L・ムニャチコ著、栗栖継 訳
『遅れたレポート』
岩波書店、1990年

〈カードル伝説〉
赤軍大尉としてぼくに入学を許可したのです。……


   これも大統領官邸。スロヴァキア大統領は国家元首であり、そのための選挙がある。一回目の投票で過半数を得た者がいない場合は、上位2者で決選投票を行うことになっている。このブラチスラヴァの訪問の時期、まさにスロヴァキアがEUの議長国となっており、そのせいか大統領官邸もますます威厳のある存在として迫ってきた。


ブラチスラヴァ(スロヴァキア)旅情(その39)…2016年夏2017/02/10 14:05

L・ムニャチコ著、栗栖継 訳
『遅れたレポート』
岩波書店、1990年

〈レール〉
<青年ダム>建設現場では、見たところ何もかもうまくいっていた。


   大統領官邸に近い街路。大きな建物がいくつか見える。正面には「ホテルタトラ」と書かれたビルが。大統領官邸にこんなに近いから立地条件も良く、市の中心部にあるホテル。どこに行くにも便利なホテルだ。まだ朝の早い時間なので、日陰になると周囲は少し暗くなる。