ブラチスラヴァからウィーンまでドナウを下る(その10)…2016年夏2018/03/01 10:53

赤川次郎著
『青きドナウの吸血鬼』
集英社文庫、2015年

<青きドナウの吸血鬼>
「ドナウをご覧になりたいでしょうね」


   甲板に出てみる。天気は快晴で、空は青々としている。ドナウ川の両側は緑が多くて、なかなかきれいな風景になっている。水は相変わらず泥水のような状態で、澄んだものにはならない。それほど長い乗船ではないから、あっという間にウィーンに着いてしまうだろう。だから、甲板での空気も十分味わっておきたい。


ブラチスラヴァからウィーンまでドナウを下る(その11)…2016年夏2018/03/02 08:55

赤川次郎著
『青きドナウの吸血鬼』
集英社文庫、2015年

<青きドナウの吸血鬼>
「へえ。何て?」


   オーストリアの国旗が美しくはためている。船籍はオーストリアなのだろうか。スロバキアではなくて。天気もいいし、短い移動なので、みんな甲板に出てくる。ゆったりとした気分で過ごしている人が多いようだ。船は順調に進んでいて、だいたい予定の時間に到着するのではないか。


ブラチスラヴァからウィーンまでドナウを下る(その12)…2016年夏2018/03/03 05:54

赤川次郎著
『青きドナウの吸血鬼』
集英社文庫、2015年

<青きドナウの吸血鬼>
「父と明日、ウィーンへ発つと……」


   すごい水流だ。後ろに大量の水を噴射して、船は進んでいる。水中翼船というものがどういうものかわからないが、それに近いのだろうか。これだけの勢いで進んでいるけど、揺れはあまりない。どんな音がしていたか忘れてしまったが、エンジン近くはかなりの音が出ていたのではないかと思う。


ブラチスラヴァからウィーンまでドナウを下る(その13)…2016年夏2018/03/04 06:33

赤川次郎著
『青きドナウの吸血鬼』
集英社文庫、2015年

<青きドナウの吸血鬼>
「我が懐かしのウィーン!」


   飛行機が飛んでいる。オーストリア航空の機体だろう。日本との往復にも、この航空会社を使った。残念ながら、この便はその後すぐに廃止になってしまった。中国からの客の方が多くなっているから、日本便は減っていく傾向にある。青い空、白い雲、緑の木々、泥色の水、そしてオーストリア航空の機体。いろんな色が入っている素晴らしい写真となった。
   なお、いったんは廃止されたオーストリア航空の成田とウィーンの路線が2018年5月から再開されることになった。嬉しい出来事である。


ブラチスラヴァからウィーンまでドナウを下る(その14)…2016年夏2018/03/05 08:39

赤川次郎著
『青きドナウの吸血鬼』
集英社文庫、2015年

<青きドナウの吸血鬼>
「どうだ!こうしてすぐ手に入る!やっぱりウィーンだ!」


   山小屋みたいな小さなロッジ。別荘だろうか。あるいはちょっとした宿泊施設だろうか。自家用車みたいな車が止まっているから観光客が来ているのだろう。このあたり、何かグリーンツーリズムとかができる場所があるのだろうか。ドナウ川には食用となる魚もけっこういるという話を聞く。


ブラチスラヴァからウィーンまでドナウを下る(その15)…2016年夏2018/03/06 08:35

赤川次郎著
『青きドナウの吸血鬼』
集英社文庫、2015年

<青きドナウの吸血鬼>
ウィーンの町を見下ろす小高い丘の上の古城。


   青、白、緑のコントラストが美しい写真となった。鳥も飛んでいる。子供の頃はずっと雲を見ていて、のんびり過ごしていたこともある。その雲がいろんな物に見えて、想像力をかきたてられた。お受験などという生活とはまったく無関係だったので、小学生時代などはゆったりした生活を送れた。


ブラチスラヴァからウィーンまでドナウを下る(その16)…2016年夏2018/03/07 08:36

赤川次郎著
『青きドナウの吸血鬼』
集英社文庫、2015年

<青きドナウの吸血鬼>
「仕事が山ほど待ってますので、私は三日ほどウィーンにいて、日本へ帰ります」


   水面すれすれに鳥がたくさん飛んでいる。気持ちよさそうに飛んでいる。船にぶつかることはない。どんな鳥かはよくわからない。海ではないから、カモメとかウミネコではないだろう。鳥の種類については詳しくない。


ブラチスラヴァからウィーンまでドナウを下る(その17)…2016年夏2018/03/08 08:33

赤川次郎著
『青きドナウの吸血鬼』
集英社文庫、2015年

<青きドナウの吸血鬼>
「クロロックさんと一緒にドナウを下ることにしたの」


   船室に戻ってきた。十分に甲板での景色を楽しめた。だんだんとウィーンに近づいてきているようだ。所要時間は1時間半くらいだろうか。バスでの移動とは景色も違って面白かった。甲板に出ていた人たちもほとんど船室に戻っている。超満員ではないが、そこそこ乗客がいる。


ブラチスラヴァからウィーンまでドナウを下る(その18)…2016年夏2018/03/09 08:37

赤川次郎著
『青きドナウの吸血鬼』
集英社文庫、2015年

<青きドナウの吸血鬼>
「これがドナウ?」


   煙突。これは発電所か工場か何かだろうか。オーストリアの産業構造というのはほとんど知らないが、工場があってもおかしくはない。オーストリアの有名な企業というのがあるかもしれないが、こちらも知らない。ウィーンの中心街に近づいてきた。


ブラチスラヴァからウィーンまでドナウを下る(その19)…2016年夏2018/03/10 05:36

赤川次郎著
『青きドナウの吸血鬼』
集英社文庫、2015年

<青きドナウの吸血鬼>
「〈青く〉ないのね。灰色じゃない」


   別の船とすれ違う。きれいな建物も見える。といっても、間もなくこの船もウィーンの中心街に到着する。この船はウィーンから出港したばかりなのだろうか。もう中心市街地に近づいてきたのがわかる。ガイドブックもあまり読んでいないし、どうしようかなと考える。お昼も食べていないから、着いたらランチにしたい。