キャピラノ吊り橋を渡る…2017年夏(その11)2018/05/01 08:46

ルーシー・モード・モンゴメリ著、松本侑子訳
『赤毛のアン』
集英社文庫、2000年

   突然、とおい記憶が、マリラによみがえった。


  いよいよ吊り橋を渡ることができた。写真を撮る余裕はあるんだろうか。なんとか写真は撮れる。橋が揺れる。激しく揺れる。予想以上の揺れ方だ。左右に大きく揺れる。ちょっと気分が悪くなるくらいの揺れだ。後ろに赤ん坊を抱いた女性がいて、気になってしまう。ちょっと危ないのではないかと心配してしまう。


キャピラノ吊り橋を渡る…2017年夏(その12)2018/05/02 09:24

ルーシー・モード・モンゴメリ著、松本侑子訳
『赤毛のアン』
集英社文庫、2000年

アンは真剣そのものだった。


   人がたくさんいて、なかなか前に進まない。さっさと渡るのも興ざめだから、ゆっくりのペースでちょうどいいかもしれない。揺れが激しいので、足を強く踏ん張らないといけない。そのために怖がっている余裕がない。片方に人がよると、橋が大きく傾く。係員がいて、誘導するわけでもない。


キャピラノ吊り橋を渡る…2017年夏(その13)2018/05/03 06:18

ルーシー・モード・モンゴメリ著、松本侑子訳
『赤毛のアン』
集英社文庫、2000年

「アン・シャーリー!」マリラはたしなめた。


   横に目をやる。渓流が流れていて、森林がある。太い鉄のワイアーが見える。これだけ太くて丈夫なワイアーだったら大丈夫だろう。気温は20度ちょっとしか上がらないが、意外と暑い。北国の夏の日差しはけっこうきつい。それはフィンランドやエストニアでも感じたことだ。ここの緯度は50度くらいだろうか。それほど北でもないのか。ヘルシンキは60度くらいだから。


キャピラノ吊り橋を渡る…2017年夏(その14)2018/05/04 06:23

ルーシー・モード・モンゴメリ著、松本侑子訳
『赤毛のアン』
集英社文庫、2000年

ダイアナは驚いて、とがめるような顔をした。


   下の渓流が見える。真下を見ても、不思議とそんなに恐怖感はわいてこない。橋を渡る前は足がすくむくらいの恐怖かと思ったが、そうでもない。人が多いせいかもしれない。観光客が密集しているので、吊り橋とその周囲の景色があまり見えないせいもある。人が少ないときに来たら、もっと怖い思いをするのだろうか。


キャピラノ吊り橋を渡る…2017年夏(その15)2018/05/05 05:30

ルーシー・モード・モンゴメリ著、松本侑子訳
『赤毛のアン』
集英社文庫、2000年

土曜日は、たまたま雨ふりだった。


   ようやく橋を渡り切った。その先にちょっとした休憩所みたいな空間がある。ベンチや売店がある。反対側から橋を見る。そんなに差はないようだ。それも当然だろう。バランスをとってつくってあるから、両サイドから見る様相が異なっているのはおかしくなる。日本での空港に行く前の移動から落ち着く時間がなかったので、ちょっとここで休憩する。


キャピラノ吊り橋を渡る…2017年夏(その16)2018/05/06 06:07

ルーシー・モード・モンゴメリ著、松本侑子訳
『赤毛のアン』
集英社文庫、2000年

   すがりつくアンの手を、マリラは冷静に振り払った。


   売店がある。ちょっと冷たいものでも、買ってみることにする。飛行機の中では水分を控えていたので、行列に並ぶことにする。けっこう混んでいて、なかなか行列が進まない。あまり時間をとりたくないが、一度並んでしまったので、列を離れることはやめる。こんなところでもクレジットカードで買い物する人がいた。中国人だろうか。


キャピラノ吊り橋を渡る…2017年夏(その17)2018/05/07 08:37

ルーシー・モード・モンゴメリ著、松本侑子訳
『赤毛のアン』
集英社文庫、2000年

   裏は、うっそうとしたもみの森に小川が流れている。


   アイスクリームを買う。ロッキーキャノンだかキャニオンだかという名称だったか。濃厚なチョコレートが使われている。けっこうな量があった。もっと軽いものにした方が良かったか。着陸の直前に機内食が出たし、これでますますお腹がいっぱいになってしまった。


キャピラノ吊り橋を渡る…2017年夏(その18)2018/05/08 08:37

ルーシー・モード・モンゴメリ著、松本侑子訳
『赤毛のアン』
集英社文庫、2000年

   アンは完全に無視して、フンと軽蔑するように通りすぎた。


   「クリフウオーク」の看板が出ている。そっちに向かう。こちらはそんなに待ち時間がない、5分くらいと聞いていたが、時間が経って、様子が違ってきた。こっちも待ち時間がけっこうあるようだ。この日はダウンタウンにも行こうかと思ったが、予想以上に時間がかかったので、それは翌日にしようかと考えていた。


キャピラノ吊り橋を渡る…2017年夏(その19)2018/05/09 08:35

ルーシー・モード・モンゴメリ著、松本侑子訳
『赤毛のアン』
集英社文庫、2000年

グリーン・ゲイフルズの十月は美しかった。


   さっき渡った吊り橋がまた見える。人が少ないように見えるが、たまたま隙間ができただけだろう。観光客はますます増えている。冬に来るとまた吊り橋も印象が全然異なるのだろう。かなり寒いだろうけど。クリスマスにはきれいなイルミネーションもつけられると聞く。


キャピラノ吊り橋を渡る…2017年夏(その20)2018/05/10 08:38

ルーシー・モード・モンゴメリ著、松本侑子訳
『赤毛のアン』
集英社文庫、2000年

「くらくらして目が回るの」


   下の方を見る。このあたりからクリフウオークが始まるのだろうか。崖の横を歩くコースで、さっきの吊り橋よりもスリルがあるかもしれない。こちらもけっこうな人がいる。帽子をかぶっている人も多い。北国の夏の日差しは強いから、帽子があった方がいいかもしれない。こっちはかぶっていないけど。