サイゴン川での鬼ごっこ…2004年春 ― 2011/04/22 20:27
近藤紘一著
『サイゴンから来た妻と娘』
1981年、文春文庫
ともかく、メコン・デルタの自然の恵みは圧倒的だった。サイゴンへ赴任した頃、親しくなったベトナム人記者が、
「オレの村では釣らなくてもサカナがとれる。果物も昼寝をしていればしぜんに降ってくる」
としきりに吹聴した。
と思った矢先、どこから来たのか、絵葉書売りの少女がつきまとう。絵葉書くらい買ってもいいのだが、押し付けられるとその気がなくなる。その少女から逃げながら、川沿いを走る。ちょっとした鬼ごっこだ。
『サイゴンから来た妻と娘』
1981年、文春文庫
ともかく、メコン・デルタの自然の恵みは圧倒的だった。サイゴンへ赴任した頃、親しくなったベトナム人記者が、
「オレの村では釣らなくてもサカナがとれる。果物も昼寝をしていればしぜんに降ってくる」
としきりに吹聴した。
ベトナムのホーチミンに滞在。サイゴン川のほとりを歩く。ここは人が少ないし、ホーチミンの街中にあふれるほどいる物売りもいない。街中の喧騒がどっかへ消えてしまった。水はけっこう淀んでいるだし、透き通った感じとは程遠い。ベトナムに来て、はじめて静かな時間を過ごせたようだ。
と思った矢先、どこから来たのか、絵葉書売りの少女がつきまとう。絵葉書くらい買ってもいいのだが、押し付けられるとその気がなくなる。その少女から逃げながら、川沿いを走る。ちょっとした鬼ごっこだ。
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