ザンベジ河・チョベ河ボートクルーズ…2004年夏(現地は冬)(その5)2014/11/27 16:49

有島武郎著
『有島武郎全集 第1卷』
筑摩書房、1980年

〈リビングストン傳〉
   マコロゝの地は、又リ氏を滿足せしむべき、定住地にあらざりき。



   チョベ河のボートクルーズはなかなか楽しかった。少年たちが泳いでいたが、ワニもいたのに大丈夫なんだろうか。アフリカの別の地域では、住血吸虫なんかがいて湖にはいるのも危険なところがあるようだが、ここは安全なようだ。それでも。ホテルでは蚊などを完全にシャットアウトする装置が付いていた。ただ、アフリカ南部に来るのに予防接種は不要だったし、楽に入国することもできた。
   ヨハネスブルグの治安が心配だったが、ガイドさんがきちんと案内してくれて、無事にジンバブエに飛ぶことができた。面倒ではあるが、いったん南アフリカに入国して、荷物を引き取り、それから再度ジンバブエ行きの飛行機に乗るために手続きをした。日本から一気通貫で手続きができないこともないそうだが、間に別の国が入ると間違いも起きやすいので、いったん南アフリカに入国した。
   さて、チョベ河のクルーズでは象やカバをたくさん見ることができた。ボートで案内してくれたガイドさんは象よりもカバが危険なことを強調していた。のんびりした雰囲気から想像できないほど、カバが怒ると大変なことになるそうだ。2枚目の写真にはいろんな動物が写っている。インパラかなにかもいる。遠くには象も見える。


ザンベジ河・チョベ河ボートクルーズ…2004年夏(現地は冬)(その1)2014/11/18 22:05

由良君美編集
『現代イギリス幻想小説』
白水社 、1971年

<セラフとザンベジ河>(ミュアリアル・スパーク)
 アフリカに住むヨーロッパ人は、はじめての相手に口をきくときには、無意識のうちにくずれたカフィル語を使ってしまうものです。
「ハンパ!」とクラメールは叫びました。帰れ、という意味です。
(井出弘之訳)



   アフリカ南部を旅した。ジンバブエ、ボツワナ、南アフリカの三か国を訪問した。だいたいこのあたりは定番のコースがある。ビクトリアの滝を見たり、チョベ国立公園でサファリに参加したりする。このあたりは水が豊かな地域である。
   アフリカというと砂漠地帯のイメージも強いが、地域によって全然違うことがわかる。世界の三大瀑布の一つであるビクトリアの滝はその水量からしても相当な迫力がある。ザンベジ河とチョベ河は密接に結びついている。チョベ河はザンベジ河の支流で上流の方にある。



ビクトリア滝でステーキ…2004年夏(現地は冬)2012/10/26 23:01

『鉄の時代』
J・M.クッツェー著、くぼたのぞみ訳
2008年、河出書房新社

「ええ、そういいましたよ、それは本当ですから。でも、だれがあの子たちをこんなに残酷にしたんですか?あんなに残酷にしたのは白人たちですよ!そうです!」彼女は深く、激しく、息をついた。私たちは台所にいた。フローレンスはアイロンがけをしていた。アイロンを持つ手にぐいっと力が入った。私を睨みつけた。その手に、私は軽く触れた。彼女がアイロンを持ち上げた。シーツには茶色い焦げ痕がつきはじめていた。



  成田空港を出発して、シンガポール、ヨハネスブルグを経由し、3便のフライトが終わって、ようやく32時間後にジンバブエのビクトリアの滝についた。そのままザンベジ川のクルーズ。夕陽が沈んで、クルーズが終わって、レストランで食事。車で案内してもらったので、レストランの名前も覚えていない。


  牛肉だけでなくて、野生の動物の肉まである。虫の入った前菜も持ってきたが、いつの間にか片付けられてしまった。だったら、無理して食べることもない。長時間の移動の後だったので、意識は朦朧としていた。牛肉のステーキはおいしかったが。

ザンベジ川の象…2004年夏(現地は冬)2011/08/12 20:00

デイヴィッド・リヴィングストン著、菅原清治訳
『世界探検全集8 アフリカ探検記』
河出書房新社、1977年

 私達が歩いている道は、ヴィクトリア瀑布の大きな裂け目ができる前にザンベジ河が流れていた、大昔の河床の高い岸に沿うて通じているように思われた。



 成田から32時間かけてジンバブエのビクトリア滝にやってきた。心身ともに疲れきっているが、到着してから間もなく、ザンベジ川のクルーズに出かける。はじめてのアフリカ。そしてこのアフリカの地でのはじめての行動がザンベジの川下りとなった。
 
 
  川の対岸に生い茂る森林。その森林の中で動くものが見えた。一頭の象である。アフリカで見たはじめての象にも感動した。実は、後からチョベ国立公園でこれでもかというほど象に遭遇するのだが。ホテルの周辺にも象に注意という注意書きがあった。このあたりは世界の中でも有数の象の生息地だ。

 
  象は一頭だけだったが、他の象たちは森林の奥にいたのだろうか。やがて日が暮れ、夕日に映える美しいザンベジ川の光景にも魅惑されることとなる。


ビクトリアの滝…2004年夏(現地は冬)2010/01/24 20:34

  デイヴィッド・リヴィングストン(David Livingstone)
  『南アフリカにおける宣教師の旅と探検』
    (Missionary Travels and Reserches in South Africa
 
 これは私たちが北東に移動することを企てた地点だったので、私は翌日に地元民からはMosioatunya、古くはShongweと呼ばれていたビクトリア滝を訪れることを決意した。この国に入って以来、頻繁にこの滝のことを聞いた。実際、Sebituaneに質問されたことの一つは、「あなたの国には音がする煙があるか」というものだった。彼らはそれらを検証するために十分近くに行ったわけではないが、遠くから畏怖の気持ちを持って眺めていた。蒸気と騒音に関して、「Mosi oa tunya (そこでは煙が音をたてる)と言っていた。かつてはShongweと呼ばれていたが、私はその意味を確かめることはできなかった。(拙訳)


  知り合いが海外青年協力隊でウガンダに赴任していたので、そちらに行きたいと相談したところ、危険な地域なので来ないでほしいとのこと。

気分はアフリカに向かっていたので、その勢いでアフリカのどこかに行くことにした。短い夏休みで行ける南ア、ジンバブエ、ボツワナの旅程を見つけた。

 成田空港を出発して、シンガポール、ヨハネスブルクと経由し、ビクトリア・フォールズ空港に着く。成田を飛び立ってから実に32時間。南半球のアフリカはとにかく遠い。その日の夕方は、ザンベジ川のクルーズ、アフリカ風ディナーに出かけた。

ここに記すのは、その翌日の朝からビクトリアの滝を見学した時の話。ビクトリアの滝はジンバブエ、ザンビアにまたがる世界3大滝(他はナイヤガラ、イグアス)の一つ。

雨季だと水煙が多く、合羽を着てもびしょ濡れになる可能性もあるが、この季節はちょうどいい感じ。

 滝の数、落差、水量、大地の裂け具合……どれ一つとっても壮大なことこの上ない。下方を眺めると足がすくむ。






 デイヴィッド・リヴィングストン
(David Livingstone)の像が立つ。この滝を訪問した探検家で、ビクトリア女王の名前をつけた。

ザンビアとの国境を列車が走る。この橋を渡れば、ザンビア。一般の日本人だとジンバブエとザンビアの違いもよくわからないだろう。


 
 滝の上に虹がかかる。滝壷でアクティビティを楽しんでいる人もいる。