オルセー美術館(その1)<入口>…1998年夏2013/04/09 22:18

エミール・ゾラ著、清水正和訳
『制作(上)』
岩波文庫、1999年

    クロードは身をふるわせてさけんだ。
「ああ、このパリ……パリはおれたちのものだ。征服せずにおくものか!」
    四人とも、情熱に燃え、欲望に輝く目をかっと見開いていた。大通りの高みより全市に吹きおりるもの、それは栄光にほかならない。パリは眼前にある。彼らはそれをわがものにするのを熱望していた。



    パリのオルセー美術館。ルーブル美術館を後にして、この美術館にやってきた。ルーブルとオルセーはセーヌ川をはさんで向かい合っている。実際に、ルーブルは宗教画とか歴史画とかキリスト教など欧州を舞台とする知識に通じていないと理解しにくい作品が少なくない。
    それに比べると、日本人に大人気の印象派の絵画が多いオルセーは敷居も高くなく、十分に楽しめる。このオルセー美術館もともとは駅だったようで、外から見た感じもルーブルとはかなり異なる。