ロンドン地下鉄(その4)…2008年夏2014/05/08 20:06

海野弘編
『モダン都市文学Ⅸ 異国都市物語』
平凡社、1991年

喜多壮一郎「倫敦風景」
 テームズの流が堰きとめられて、岸辺の緑陰の慎しげな恋愛を小舟のプッドルに托している若い男女の睦しげさは倫敦の郊外ならでは見られない郊外情景の快さである。



   前回も書いたが、実際には1日乗車券を使えば、意外と割安で地下鉄を乗り回すことができた。地下鉄の大江戸線のように、一部の車両の外側の天井が低くなっており、窮屈に感じることもあった。こうした工法はトンネルの体積が少なくなるので、工事費が安くなるらしい。
   ロンドンにしては暑い日が続き、冷房のない車両も多くあって、けっこう蒸す。それでも1997年夏の訪問の時よりは涼しい気候だ。あの時は東京並みの気温だった。以前にも書いたように、空港へもつながっているので、大きなスーツケースが置かれている場合もあり、狭苦しい思いをすることもある。それでもロンドンの地下鉄は便利だ。主な名所はほとんど回れるし、快適だ。