プレトリア/クルーガー・ハウス(その3)…2004年夏(現地は冬)2013/09/24 19:57

ナディン・ゴーディマ著、スティーヴン・クリングマン編、福島冨士男訳
『いつか月曜日に、きっと』
2005年、みすず書房

「脱走者と永遠に輝ける夏 1963」
   私が書きはじめたのは九歳だった。作文の時間に書いた詩に自分でもびっくりした。あたえられた題は「ポール・クルーガー」だった。当時の南アフリカの青少年向けの読みものではありふれた主題である。



   ポール・クルーガーはトランスヴァール共和国の軍人、国会議員、閣僚、副大統領などの要職を占め、大統領にまで登りつめた。ボーア戦争においても、クルーガーは一度英国に併合されたトランスヴァール共和国の独立を取り戻すなど目覚ましい活躍をしている。
   しかし、第二次ボーア戦争では英国が有利な位置に立ち、トランスバール共和国を敗退させるに至った。クルーガーは海外へ逃亡し、各国の支援協力を仰ぐが、目的を達することはできず、スイスで客死した。