ユジノサハリンスクのホテルの朝食…2012年夏2012/10/16 21:02

森林太郎著
『鷗外選集 第15巻』 
岩波書店、1980年

<樺太脱獄記 コロレンコ>
 この船は囚人を樺太に送る船である。さうでなくても、軍艦は紀律が厳しい。それがこんな任務を帯びて航海するとなると、一層厳しくしてある。昼間だけは甲板の上で、兵卒が取り巻いてゐる中を囚人が交る交る散歩させられる。その外は甲板に出る事はできない。



 サハリンのユジノサハリンスクにあるベールカホテルに泊まった。丸太でつくられた趣のあるホテルである。朝食の場所についてはよくわからなかったが、何とかたどりついた。自分で好きなものを選ぶ。簡単なものしかないが、ロシア風ギョウサもあった。朝早く行ったので、ほかに客は一人しかいなかった。このあたりでは、ソ連時代の慣行が根付いているようで、ホテルとかお店とかの店員さんや係の人の態度はぶっきらぼうだ。