ヘルシンキ--タリン間のフェリー航路(その6)…2013年夏2014/07/29 19:52

ヤーン・クロス著、沼野充義監修・解説、沢崎冬日訳
『狂人と呼ばれた男--あるエストニア人貴族の愛と反逆』
日本経済新聞社、1995年

   ティモは戸惑ったような表情を見せた。それからその意味を了解した。彼はエーヴァの手を取って、まだかなりぎこちないエストニア語で答えた。私は彼の拙いエストニア語を初めて許す気になった。


 
   さて、このスーパースターの通常の切符、エコノミークラスとでもいえる切符は席は決まっていない。どこでもいいから席をとることになる。夏の旅行シーズンなので、なかなかいい席をとるのが大変だ。みんな小走りで、席の取り合いになる。サンドイッチを買って、席に座る。といっても2時間の航路なので、甲板に出たり、カフェに行ったり、船内を歩き回っていたら、すぐに時間は経ってしまう。
   椅子のある席がとれなくても、海に面したカウンターのようなものもある。いつの間にか船は出向していた。加速もすごい。乗船番号を打ち込むと、インターネットもつながる。ネットがつながるせいか、タブレットを持っている人も多い。日本人も少しはいる。