ラスベガスを歩く(その7)…1996年夏2015/09/01 08:51

ジョン・リドリー著、渡辺佐智江訳
『ネヴァダの犬たち』
早川書房、1997年

   でぶ男がカードを置いた。

   ラムセス2世やらスフィンクスのあるホテルの名前。「ルクソール」という。ここに宿泊したわけではない。部屋もエジプト風なのだろうか。ラスベガスにはいろんなホテルがある。巨大なホテルもあれば、こじんまりしたホテルもある。他に泊まっている観光客も含め、いろんなホテルの周辺を散策することも楽しい。ラスベガスでは様々なホテルが風景に溶け込んでいる。


ラスベガスを歩く(その8)…1996年夏2015/09/03 09:01

ジョン・リドリー著、渡辺佐智江訳
『ネヴァダの犬たち』
早川書房、1997年

   太っちょは三を一枚とエースを四枚置いたところだった。

   ラスベガスは主要な州の高速道路や国道が走っているため、車の交通量も多い。ロスアンジェルスやサンディエゴともつながっており、車で移動するにも便利な場所らしい。80年代の初頭にアメリカに来た時はもっと大きな車がたくさん走っていたが、原油の値段が高くなってくると、中型や省エネの車が支持されるようになる。日本車が強くなったのにも、こうした背景がある。
   暑い中を、車の排気ガスを浴びながら歩くのもけっこうきつい。CAT( CITIZENS AREA TRANSITの略)と車体に書かれた公共バスも走っている。ラスベガスには南国風のエキゾチックな建物も目立つ。


ラスベガスを歩く(その9)…1996年夏2015/09/05 07:01

ジョン・リドリー著、渡辺佐智江訳
『ネヴァダの犬たち』
早川書房、1997年

「ちがう。おれがベガスに来たのは一年前で、あんたと会ったのはその最初の週だったんだから」


   車道だけではなくて、歩道も広くて、ゆったりと歩くことができる。涼しい格好をしている人も多いが、もろ太陽光線を浴びるとけっこうやばい。だから長袖で歩いた方が無難でもある。空気が乾燥しているので、日本にいる時のような汗のかき方はしない。それでも体中の水分が失われていて、大量のジュースを飲んだりしないとばててしまう。もともと砂漠だった地域を開拓し、贅沢にも水道を通した。街路樹もけっこうある。


ラスベガスを歩く(その10)…1996年夏2015/09/08 11:55

ジョン・リドリー著、渡辺佐智江訳
『ネヴァダの犬たち』
早川書房、1997年

   ベガスでは、夜は日中とは、あるいは少なくとも夕刻とはほとんど違いがなかった。

   横断歩道を渡る時に撮影。幹線道路が走っているので、とても交通量が多い。太陽光線がまぶしすぎて、写真の出来もいまいちである。実は95年の段階でQV10というデジカメも持っていたのだが、旅行に持っていくという発想はなかった。画素数が低かったこともあるが、写真はフィルムを写真屋に持って行って、焼いてもらうというのが当たり前だった。さて、ラスベガスでの移動はもっぱら徒歩だった。強い太陽光線を浴びて、信号を待っているだけでもけっこう日焼けしてしまう。


ラスベガスを歩く(その11)…1996年夏2015/09/10 08:59

ジョン・リドリー著、渡辺佐智江訳
『ネヴァダの犬たち』
早川書房、1997年

   夜は真っ暗闇になった。それは、ベガスでは非常にやばい事なのだ。


   ラスベガスの巨大ホテルMGMの建物の一部だろうか。左側にいる4人組は”Four Tops”という音楽グループ。MGMは最高級ホテルだから有名アーティストが出ていても、おかしくはない。こうした出し物は基本的に見なかった。泊まっていたホテルはエコノミータイプだったので、こんな立派な催しはなかったが、スロットマシーン、ブラックジャックなどは十分に満喫できた。といっても、こうした遊びはほどほどにとどめて、派手にお金を使ったわけではない。


ラスベガスを歩く(その12)…1996年夏2015/09/12 06:26

ジョン・リドリー著、渡辺佐智江訳
『ネヴァダの犬たち』
早川書房、1997年

   彼女はレモネードの入ったグラスを持ち上げ、平然とそれをすすった。

   新聞の自動販売機もある。アメリカでは全国紙はほとんどなくニューヨークタイムズなどの主要紙も地方紙である。ただ”USA TODAY”は全国紙ということになっている。この当時からカラーの紙面が多く、比較的読みやすい新聞だ。アメリカは国土も広いし、広告も多いので、もともと新聞を宅配する量は日本に比べると多くないのだろう。


ラスベガスを歩く(その13)…1996年夏2015/09/15 08:55

ジョン・リドリー著、渡辺佐智江訳
『ネヴァダの犬たち』
早川書房、1997年

   カウンターの向こうのメキシコ人老女が、ジョンがスナック菓子のラックの周りをまわってトゥインキーズを一箱つかむのを見ていた。

    「北へ」「南へ」。道路の標識。ラスベガスとロサンゼルスを結ぶ州間高速自動車道15号線のものである。アメリカには数回行っているが、極端に長い距離を車で移動したことはない。せいぜい2時間くらいの都市間の移動が最高だろうか。長距離では飛行機か列車を使っている。昔、高校の英語のリーダーの教科書にグレイハウンドバスを使ったアメリカの旅のことが出ていたことを覚えている。


ラスベガスを歩く(その14)…1996年夏2015/09/17 10:11

ジョン・リドリー著、渡辺佐智江訳
『ネヴァダの犬たち』
早川書房、1997年

   八月のやぶの火事みたいに暑い。

   前々回に紹介した新聞の自動販売機を別の角度から撮ったもの。”USA TODAY”の他の新聞もある。フリー(無料)の新聞もある。日本より新聞は安いという感じ。クオリティーも高い新聞が安く買えるので、コスパは高いと言える。連邦税としての消費税はないが、アメリカでは地方税として間接税がかかることが多い。ただ、新聞は非課税という場合が多い。


ラスベガスを歩く(その15)…1996年夏2015/09/18 08:09

ジョン・リドリー著、渡辺佐智江訳
『ネヴァダの犬たち』
早川書房、1997年

   道端で犬が一匹、消火栓から落ちる滴をなめていた。


   消火栓の写真を撮る。たいした意味のない写真だが、こういう写真は後から見てみるとなかなか趣がある。乾燥している地域だから、火事になったら大変だろう。もともと砂漠地帯であるだけに、水道をひくこと自体が大事業だっただろう。その意味では、ラスベガスは贅沢な地域と言える。ホテルに入れば冷房はガンガン効いているし、おいしい食事も安く食べられる。


ラスベガスを歩く(その16)…1996年夏2015/09/22 07:22

ジョン・リドリー著、渡辺佐智江訳
『ネヴァダの犬たち』
早川書房、1997年

   保安官が右の手首を握ると、手が死んだ魚のようにだらりと丸まった。


   ラスベガスらしい光景だ。エスカレーターを昇って、撮った写真だろうか。巨大ホテルを特徴づけているライオンもなかなか迫力がある。街の中には緑もけっこうあるし、世界の主要観光地なだけに観光バスもけっこう走っている。所要道路が走っているだけあって、交通量はやはり多い。