チョベ国立公園の鳥…2004年夏(現地は冬)2011/12/23 08:34

イソップ著、中務哲郎訳
『イソップ寓話集』
岩波文庫、1999年

101 黒丸烏と鳥たち
 ゼウスは鳥たちの王を立てようと思って、皆に集まって来る日を指定した。黒丸烏は自分が醜いことを知っていたので、歩きまわり、鳥たちが落とした羽根を拾い集めて、全身に貼りつけた。
 その日になり、錦を纏った黒丸烏はゼウスの前にやって来た。しかし、ゼウスがその美しさゆえに彼を王に推挙しようとしたところ、怒った鳥たちは烏を取り囲み、めいめい自分の羽をむしり取った。こうして裸にされて、元の黒丸烏に戻ってしまった。
 このように人間の場合でも、借金をする人は他人の金を手にしている間は一廉の者と思われるけれども、返してしまえば、元の姿を晒すのだ。


 ボツナワのチョベ国立公園には鳥もたくさんいる。動物たちの楽園というだけでなく、鳥たちの楽園でもある。ワニもいるのだから、爬虫類についても当てはまる。しかし、動物と違って、種類がよくわからない。チョベ川には、黒と白の混ざった鳥が目につく。ヒメヤマセミという鳥のようだ。この写真には大きさの異なる2羽の姿が写っている。南アフリカには多く生息しているようだ。その他、カバと仲良しの白い鳥などもいた。鳥に詳しい人はバードウォッチングもできるから、楽しさも倍加するであろう。どうも鳥の区別がよく分からない。日本にいる鳥でさえ、何の鳥なのかわからないことが多い。いかにこの世にたくさんの生き物がいるかを改めて認識させられる。



チョベ国立公園の象(その4)…2004年夏(現地は冬)2011/08/30 21:37

イソップ著、中務哲郎訳
『イソップ寓話集』
岩波文庫、1999年

311 ゼウスと動物と人間
 人間は皆、理性的存在として神から名誉を与えられているのに、その名誉に気づかぬばかりか、感覚も理性も持たぬ動物を羨む者もいる、ということ。


 チョベ国立公園の象。ずっと遠くに姿が見える。左側に一頭。右側のかなり遠くに何頭かの象がいる。近くで見る象も迫力があったが、こうやって遠くから見る象もなかなか良かった。雄大な自然と一体となった感じがする。緑と川に恵まれ、象にとっては天国だ。象は一日に200キロから300キロの草を食べなくては生きていけない。象の食糧がたっぷりある公園だ。それにしても、チョベ国立公園は広い。ボートやジープでサファリをすることになるが、それぞれに味わいが違って、面白い。


チョベ国立公園のバッファロー…2004年夏(現地は冬)2011/08/16 08:28

亀井俊介、 川本 皓嗣編
『アメリカ名詩選』
1993年、岩波文庫

ウ゛ェイチェル・リンゼイ
「花を食うバッファロー」

むかしむかしの春の日に
花を食うバッファローが闊歩した
野原に機関車が歌うたい、
草原の花は身を匿す。



    ボツワナのチョベ国立公園でのジープサファリ。一頭のバッファローが見えた。バッファローというと大群で行動するというイメージが強いだけに、こうした単独行動は予想外だった。観光ガイドの話では、もともとツガイだったのに、雌がライオンに食われて、今は雄の一頭になってしまったとのこと。悲しい話である。そうした話を聞いてしまうと、バッファローの表情も哀しみに満ちたものに見えてくる。精神的ショックが大きかったせいか、ガリガリに痩せている。バッファローというとライオンと互角に戦うか、撃退する力がありそうだが、百獣の王に襲われたら、被害者になってしまうのか。それにしても、このチョベ国立公園にはいろんな動物がいる。


チョベ国立公園のキリン…2004年夏(現地は冬)2011/08/09 21:00

チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)
『種の起源』(The Origin of Species by means of Natural Selection)

  キリンは、その伸びた身長、極めて細長い首、前部の脚、頭と舌による構造全体が木の高い枝を見回すことに見事に適応している。キリンは同じ国に生息する他の有蹄類や、偶蹄類の動物の手の届かないところを超えて食物を得ることができる。そして、このことは欠乏時期にキリンにとって大きな利点となるはずだ。(拙訳)



    ボツワナのチョベ国立公園。早朝からのジープによるサファリもだいたい終わりに近づいた頃、そいつは現れた。キリンだ。一瞬の間しか見えなかったが、こちらを向いてくれ た。くよくよと思い悩むこともなく、マイペースで生きているという感じだった。キリンくらい大きくなると、ライオンに襲われることもないのだろうか。それ にしても世の中にこんなに背の高い生き物がいることが不思議だ。キリンから見る世の中というのはどんな光景だろうか。地上は遥か遠くで、高い木の枝が身近 な世界だろうか。

チョベ国立公園のワニ…2004年夏(現地は冬)2011/08/02 20:54

デイヴィッド・リヴィングストン著、菅原清治訳
『世界探検全集8 アフリカ探検記』
河出書房新社、1977年

  それでも、私達は五月七日には、モアンバ河(南緯九度三八分、東経二○度一三分三四秒)に到着した。この河は幅が三○メートルあって、クイラ河、ロアンジェ河、チカパ河、ロアジマ河などのごとく鰐と河馬がすんでいた。



   ジンバブエのビクトリア滝から車で2時間ほど行ったところにボツワナのチョベ国立公園がある。チョベ川という豊かな水をたたえる川があって、象やカバをはじめ、多くの生き物が共存している。チョベ国立公園のサファリはボートに乗って川を巡るタイプのものと陸路でジープを使うものとがある。
   この公園は象がものすごく多いのだが、注意して見ていると他にもいろんなものがいる。大きなワニがいた。ワニは普段はじっとしているので、面白味には欠ける。それでもなかなか迫力のある存在だ。サファリにおける静かなひと時をワニを見つめながら過ごす。ワニはおそれられているが、賢かったり、神聖な生き物とみる地域もある。そういえば、ロシアの人形劇のチェブラーシュカに出てくるワニのゲーナもしっかりしている性格だ。