ダブリンとリフィー川…1997年夏2011/04/15 22:37

ジェイムズ・ジョイス著、柳瀬尚紀訳                      
『ダブリーナーズ』  
2009年、新潮文庫    

  20代後半のこの人物は、柔らかな薄茶色の口髭を生やし、いささか世間知らずのグレーの眸をしている。父親は急進的な国民党員として世に出たが、早くに主義を変えてしまった。キングズタウンで屠牛人をして金を作り、ダブリン市内と郊外に店をいくつか開いて元手をしこたま殖やした。 


 英国のロンドンを先ず見てから、ダブリンに入った。大都市というよりは、中都市という感じ。のんびりした街にすぐ馴染む。まだ、この頃はアイルランド観光もそれほどメジャーではなく、ちょっと寂しいイメージを持っていたが、観光客は予想以上に多くて、快活な街だった。観光名所のほとんどは徒歩で見られた。
 ダブリン市民にとって身近な存在のリフィー川。そこにハーフペニー橋がかかっている。この橋もダブリンの名所のひとつだ。一時は通行料をとっていたとのこと。歩行者のみが渡れる小さな橋である。