ウィーン美術史美術館で名作鑑賞…2016年夏(その13)2021/01/06 13:58

池内紀編訳
『ウィーン世紀末文学選』
岩波文庫、1993年

〈バッソンピエール公綺譚〉(ホフマスタール作) 
私はドアを押しあけた。

これはベルナルド・カヴァリーノという画家の作品のようである。「ダビデはサウルの前で演奏する」というタイトルらしい。旧約聖書を読んでいると、統一イスラエルの王ダビデは竪琴をはじめ楽器の名人でもあったことがわかる。サウルはイスラエルの初代国王である。この画家はナポリが拠点だったようだ。これはその楽器なのだろうか。カヴァリーノは宗教をモチーフとした絵が多いようだ。


ウィーン美術史美術館で名作鑑賞…2016年夏(その14)2021/01/12 15:13

池内紀編訳
『ウィーン世紀末文学選』
岩波文庫、1993年

〈地獄のジュール・ヴェルヌ/天国のジュール・ヴェルヌ〉(ヘヴェジー作)
お待たせした。

これも良く知らない人だ。どうやらPhilipp Ludwig Wenzel Sinzendorfという人で、オーストリアの外交官、政治家の肖像画である。ハプスブルグの外交担当として長年勤めた人物のようだ。伯爵というか貴族階級に属する人物である。ある程度、身分が高くないと外交官も勤まらなかったのだろう。


ウィーン美術史美術館で名作鑑賞…2016年夏(その15)2021/01/19 13:12

池内紀編訳
『ウィーン世紀末文学選』
岩波文庫、1993年

〈地獄のジュール・ヴェルヌ/天国のジュール・ヴェルヌ〉(ヘヴェジー作)
「油は?」

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオという人の作品らしい。あの有名なミケランジェロのことかと思ったが、別人らしい。時代もかなり後のことだ。なかなか外国人の名前はわかりにくい。十字架にかけられ、葬られ、よみに下ったキリストが死者のうちから復活して、エマオという街に姿を見せたらしい。これはイエスが弟子と一緒にいるところだろうか。晩餐の絵も別にあるようだ。


ウィーン美術史美術館で名作鑑賞…2016年夏(その16)2021/01/26 10:33

池内紀編訳
『ウィーン世紀末文学選』
岩波文庫、1993年

〈地獄のジュール・ヴェルヌ/天国のジュール・ヴェルヌ〉(ヘヴェジー作)
アトラス船長が代わって言った。

Johannes Baeckという人の「放蕩息子」という題材の絵である。聖書には放蕩息子の話が出てくる。遊びほうけて、最後はボロボロになって帰って来たが、父親から歓待される息子のことを描いたものである。黒い犬がいることに気が付く。仏教でも放蕩息子の話があったような気がする。