虎山長城を歩く…2014年春(その20)2015/04/14 06:08

鮮于煇著、 猪飼野で鮮于煇作品を読む会訳
『火花--鮮于煇翻訳集』
白帝社、2004年

<水豊ダム>
   ところで近ごろ、私はこんな夢をみる。
   長い長い歳月が流れて、いつの日にか、科学の発達が水力発電さえ必要としなくなり、淀みない江流の原始的姿を人間が取り戻そうとする時、水夢ダムは鴨緑江から撤去されるに違いないと。


   虎山長城のメインは北朝鮮側を見ることになる。実質的に陸地の国境を持たない日本に住む人間にとっては、国境というのは独特の印象を受ける。北朝鮮側の農地、山、まちが見える。江戸時代の浮世絵などを見ると禿山が多いが、今の北朝鮮でも木を切って、使い果たしてしまうのか、それと似たような状況にあるのだろう。木を切ったら、森林の保水能力もそがれてしまうので、その分だけ水害も起こりやすくなるだろう。人気があまり感じられず、ひっそりとした光景ばかりが目の前に展開されている。