サハリン州郷土博物館(その21)…2012年夏2014/01/21 20:48

チェーホフ著、原 卓也訳
『サハリン島』
中央公論社、2009年

   何よりも、流刑囚をサハリンから追い立てているのは故郷に対する激しい愛情である。懲役囚の話を聞いてみると自分の故郷で暮すのは何という幸福で、何というよろこびであろう!サハリンのこと、ここの土地、人間、樹木のこと、天候のことなどは、嘲笑をうかべ、嫌悪の情もあらわに、憎々しげに口にするのに対し、ロシヤではすべてが美しく、ほれぼれするようだという。



   これはなかなか興味深い写真。戦前、樺太のオットセイを利用した薬味酒は大ブームとなったようである。その工場がソ連に接収されてしまったのだろう。国営工場とあるからソ連政府のものになってしまったということになる。なお、戦後もオットセイを使った薬味酒はけっこうヒットしたとのこと。笑顔のロシア人らしき女性と険しい顔をした日本人男性との表情が対照的である。