サハリン便の機内食(その1)…2012年夏2012/10/09 21:05

森林太郎著
『鷗外選集 第15巻』
岩波書店、1980年

<樺太脱獄記 コロレンコ>
   北の国は日が短い。冷たい霧が立つて来て、直ぐに何もかも包んでしまふ。己は為事をする気にならない。ランプを点けるのが厭なので、己は薄暗がり、床の上で横になつてゐる。  



  忙しい日程の中、久しぶりに海外に出ることができた。ロシア訪問はビザも必要になるが、ギリギリ間に合った。成田からユジノサハリンスクに向かう。ユジノサハリンスクは日本統治下の時代は豊原という都市だった。さて、この便はチャーターでこの時期だけ飛んでいるものである。ウラジオストク航空がアエロフロートと共同で運行していた。成田空港の第1ターミナルから搭乗だが、バスに乗って、飛行機の待機している第2ターミナルまで行くことになる。
  短い距離ではあるが国際便なので、機内食は出るのかと期待していた。以前、もっと短い国際線でもきちんと機内食が出たことがある。ロンドンとダブリンの間の飛行での話だ。期待通りに、ブルーの箱に入った機内食が配られた。「快適な食欲を」と書かれている。