サハリン便の機内食(その2)…2012年夏2012/10/12 20:29

森林太郎著
『鷗外選集 第15巻』
岩波書店、1980年

<樺太脱獄記 コロレンコ>
 何分か立つたらしい。何時間か立つたらしい。己は、ぼんやりして、悲しい物懐しい旅の心持が、冷やかに、残酷に襲って来るのに身を任せてゐた。 
 


 お盆の時期なので飛行機は満員だと思ったが、けっこう空いている。ロシア人がけっこう乗っているかと思ったが、ロシア語を話している乗客は少なく、英語がやたら聞こえてくる。サハリン石油開発で現地に行っているビジネスマンや技師たちだろうか。
 機内食の箱を開けると、ハムの入ったパン、オレンジジュースが入っている。軽食ではあるが、真夏の時期はこれくらいで十分である。後からコーヒーも出た。お客さんが少ないので、配膳もスムーズに進む。ソ連時代に乗ったアエロフロートとサービスは大差ない。微笑みもない、そっけないサービスだが、このくらいのフライトだとビジネスライクな方がいい。