ハイドパーク、ケンジントンガーデンズ(その2)……2008年夏2010/06/22 21:32

チャールズ・ディケンズ著、中村能三訳
『オリバー・ツイスト(下)』
1955年、新潮文庫

 それはハイド・パークに近い、しずかで美しい街にある家庭用旅館であった。彼女が玄関先の明るいランプの灯をたよりにそこへたどりついた時、時計が十一時を打った。彼女はなかへはいる決心がつきかねる風で、二三歩行きつつ戻りつつしていたが、時計の音で心をきめると、玄関の間へ足を踏み入れた。門番の席には誰もいなかった。おずおずしたようすであたりを見まわしながら、彼女は階段の方へ進んだ。
「あの、娘さん」としゃれた服装の女がうしろのドアから顔を出して云った。「どなたに御用ですか」
「ここに泊ってらっしゃるご婦人なんですけど」とナンシーは答えた。


 2008年にロンドンを訪 問した際は、97年にも行ったケンジントン公園をゆっくり回ることとした。あらためて素晴らしい公園であることを実感する。ケンジントン公園に入る前に、高級住宅街であるノッティング・ヒルのあたりを散策する。
  品のいい通りと品のいい住民。周辺にあるお店も感じがいい。緑豊かな公園群は何度見ても飽きがこない。

 前日、オックスフォードに行っていたので、ロンドンに戻ってきて、懐かしい気分も味わえた。前に来た時と同様、この日も暑くて、日光が気になる。

 日本に比べると欧州は緯度が高いが、日射しがストレートに当たるので注意をしなくてはならない。公園の中に庭園がある。イギリス人は家庭でもガーデニングが大好きだが、ここでも草花がきれいに手入れされている。

 水辺に来ると、どこでもほっとする。美しい公園は世界でも有数の大都市ロンドンが誇る社会資本だ。日本では、政府が「生活大国5か年計画」で都市公園を含む社会資本の整備に力を入れることになっていたが、東京、大阪の都市公園面積が数倍にも増えたという話はあまり聞かない。外国の真似ばかりするのも問題だが、日本の首都圏もせめてロンドン並みの都市公園が欲しい。

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