ハワイ島のロコモコ…2007年秋~冬2011/02/01 22:18

渡辺喜恵子著
『タンタラスの虹』
新潮社、1975年

  電車を降りると初穂はドレスと帽子がほしいと言った。次女の奈穂も同じものがいいと言った。三女の真理は帽子はいらないからドレスと靴を買ってくれと言う。
「でも靴はヒロの叔母さんがおくってくれるかもしれないでしょう。ねえお母さん」
  ヒロで靴屋をしている菊治の妹の清子が、毎年クリスマス前に子供達へ靴を贈ってくれるのを、初穂は忘れてなかった。



 ホノルルをベースに滞在しながら、ハワイ島を駆け足で訪問した。ハワイ島では過密スケジュールで昼は車の中でおにぎりなどを食べたが、夕食は少し余裕をもってとる時間があった。ヒロから飛行機に乗ることになっていたので、ヒロ市内で夕食をとる。ハワイ料理がいいよ、中でもロコモコがおすすめと言われたので、迷わずロコモコを選ぶ。ご飯の上にハンバーグ、さらに目玉焼きがのせてある栄養満点の料理である。なかなかの味である。短い滞在だったが、ハワイ島訪問を締めくくる良い思い出になった。

蝶々の舞う中でシーフードカレー…2007年秋~冬2011/02/04 21:03

渡辺喜恵子著
『タンタラスの虹』
新潮社、1975年

  たまきは豪快に笑い飛ばすが、言葉尻に情が篭っていて、美穂はだらしなく涙ぐんでしまうのだ。遠廻りだがいつも買うベーカリーに寄って菊夫の好きな甘いパンを買った。買物の包みは両手に重いが街路樹はもう長い影を引いてパラソルの必要もなかった。ゴールデンシャワーのあふれるように咲くモイリリの通りを、美穂はゆっくり歩いて行った。いつの間にかこの辺もすっかり変って、僅かの間に住宅がぎっしり並んだ。タロ芋畑などどこにも見あたらなかった。美穂は丘の上から海に見入っていた。



   アラモアナショッピングセンターにある高級デパートのニーマンマーカス。マリポサというレストランがある。ここでランチを食べることになった。高級品が多く、お客さんもお金を持っていそうな人が多い。周囲は芸術作品ともいえる蝶々が舞い、不思議は空間ができあがっている。
 
 ここでシーフードカレーを食べた。味付けはかなり甘く、ハーブだかシナモンだかの風味がちょっときつかった。ちょっとクセのあるカレーだ。南国では、こんな味付けが好まれるのだろうか。


 それにパイナップル風味のパン。おかわりもできるとかで、何度か追加注文をした。おかわりも無限ではなく、3回とか限度があったようだ。その限度いっぱい食べてしまった。


ホノルルで最後の晩餐…2007年秋~冬2011/02/08 21:13

渡辺喜恵子著
『タンタラスの虹』
新潮社、1975年

   はじめてハワイに着いた日のことがしきりに思い出された。花は咲きあふれ、ホノルルの街はあの頃に比べたら驚くほどの活気だというのに、人間だけがなぜ年老い、虚しく朽ち果ててゆかなければならないのだろう。四十六歳になった自分の年齢を数えて、美穂はひどく淋しかった。どうしようもないような気分で、ヌアヌ街へ行った。たまきに会いたかった。帰国の船に夫を乗せた安堵感が、美穂を家族から解き放したようだ。



 アメリカ研修の最後の夜。名残惜しい気分で、最後の夕食。明日の朝早くホテルを出発。3週間も仕事を休んでいたので、帰ったらすぐに仕事。それを考えると、気分が憂鬱になる。
 最後の晩餐はパスタ。なかなかおいしかった。それに、ニューヨーク風チーズケーキを食べた。パスタの写真はピンボケになってしまったので、左下に小さくして掲載しておこう。
 クリスマスが近づいている。クリスマスの出し物をやっている。レストランの営業日を見ると、12月25日は休みとのこと。ちょっと前の日本の元旦のように、いっせいにみんなが休む。ほとんどの人が家族と過ごすため、サービス業はだいたい休み。


ホノルルの焼きそば…2007年秋~冬2011/02/10 21:27

渡辺喜恵子著
『タンタラスの虹』
新潮社、1975年

   美穂にじろりと一瞥をくれ、その女は足早に過ぎ去った。
   なんて不愛想なんだろう。ホノルルは都会だなと思う。ハワイ島の人達は、みな親切だった。わけても耕地の人々はゆきずりの人間にもやさしく声をかけてくれる。


 アメリカ合衆国の大陸で過ごして、ハワイに上陸すると、なんだか気分が少しだれてくる。最初からハワイなら別なのだが、東部、中西部、カリフォルニアに滞在してから、ホノルル入りすると、緊張感もなくなって、もう日本にいるような気分になる。

 
 ホノルルに着いた夜、アラモアナのフードコートに出かける。外は風が強く、台風みたいな天候。以前夏に来た時の雰囲気とは全く異なり、常夏のイメージが崩れる。


 何を食べようかと考えていたが、いきなり日本食になってしまう。焼きそばを注文してしまう。もう日本に近いんだし、外国料理じゃなくてもいいかと開き直ってしまう。

ハワイ島のおにぎり…2007年秋~冬2011/02/15 23:01

『ONIGIRI&OKAZUおにぎりとおかず』
2008年、主婦の友社

三角おにぎり
Triangle onigiri

ポイント:角をつけながら回すときは力を入れずにやさしくにぎる。米粒に空気を入れると、フワッとした仕上がりになる。
Note: Press lightly when turning rice while making the shape. Puffing the air in the rice grain makes fluffy finish.



 ハワイ島で忙しい日程をこなす。公的日程に加えて、国立火山公園も見せてもらうので、日程も窮屈になる。でも、ハワイ島に来たら、火山公園は絶対見ておきたい。昼もゆっくりととる時間がないので、どこかで買って車の中で食べることになる。日本食のお惣菜屋に立ち寄る。おにぎりもあれば、いなりずしもある。現地の人にも大人気。キンピラとかおかずもいろいろあった。
 このアメリカ研修では何度か車の中で食事をした。その前にいたカリフォルニアでも、ハンバーガーを車で食べたので、あわただしい日程が続いていた。しかし、今回のように和食となると、胃腸にも優しいし、くつろいだ気分にもなれる。

ジョージタウンでロブスター三昧…1983年夏2011/02/17 23:07

L・キャロル著、矢川澄子訳、金子國義絵
『不思議の国のアリス』
1994年、新潮文庫


「きみ、海の底で暮らしてたことなんてないよね」(「ないわよ」とアリス)「だからイセエビに紹介されたことだって、ないんだろう」(アリスは「たべたことあるけど」といいかけて、あわてて気がついていいなおした。「ないわ、まだ」)--「だったら、イセエビのカドリールがどんなにゆかいかも、わかりっこないやな」



  学生時代にフルブライト基金によるアメリカ研修に招待された。最初はカリフォルニアに行っていたが、その後はワシントンDCにやってきた。知り合いがジョージタウンの大学院に留学していたので、その近くでロブスターを食べる。
 まだこの時代はロブスターなんて日本人からみたら贅沢な食事だった。ある評論家の方がご馳走して下さった。とにかくうまかった。満足度も100%。知的な雰囲気のある街だし、最高の晩餐を味わった。20代前半の頃の良き思い出である。

クレアモントで日本料理…1983年夏2011/02/22 21:45

ピーター・F・ドラッカー著、牧野洋訳・解説
『知の巨人 ドラッカー自伝』
2009年、日経ビジネス人文庫

 ただ仕事はいつも通りだ。カリフォルニア州南部のクレアモントの自宅にはファックスとタイプライターがあり、これが私の仕事道具だ。秘書はいないけれども、スケジュール管理はいつだって自分でやってきた。いまも手帳は数カ月先まで仕事のスケジュールで埋まっている。


 
 カリフォルニア州のクレアモントに滞在していた時、一度だけ日本料理屋に連れて行ってもらった。その後、ワシントンDCを訪れた際は、日本料理を何度も食べたのだが、最初にクレアモントに長めの滞在をしたので、日本料理はその1回だけだったと思う。夜、車で出かけたので、どの場所に行ったかはよく分からなかった。そんなに遠くなかったと思う。クレアモントとは別の街だったかもしれない。
 天麩羅や肉料理などが出てきた。料理はまあまあだった。ただ、お吸い物だと思ったら、コショーで味付けしたスープがあったり、本物の日本料理かと問われれば、必ずしも本物ではなかった。当時としては上出来だったのかもしれない。

ホノルルでロブスター三昧…1996年夏2011/02/26 00:05

L・キャロル著、矢川澄子訳、金子國義絵
『不思議の国のアリス』
1994年、新潮文庫

 いわれてグリフォンは、「そのわけはね、タラってぜひともイセエビとダンスしたがってね。それで、沖までほうられただろう。そしたら落ち切るまでだってなかなかだろ。そこでしっぽをしっかりとくわえてたら、おかげでそれきり二度と口からとれなくなっちゃったんだ。おしまい」
「ありがとう。おもしろいのねえ。あたし、そんなにタラのことなんて、よく知らなかった」



 初めてのハワイ訪問。アメリカ本土に滞在してからのハワイ入りである。この時のハワイは、ホノルルだけの滞在だったが、ビーチや買い物などハワイを満喫することができた。そこで、ロブスターを食べることになる。物価の安いラスベガスから移動したせいか、やたら物が高く感じられる。料理はまあまあ。ラスベガスで食べておけば良かった。
 ただ、日本人が多いのか、最初からチップが込みになっていたのは気になった。やはりアメリカ流に、気持ち良く自分でチップを払いたいものだ。日本だとチップ制度がないので、気を使う必要はない。ただ、お客さんへの心のこもったサービスをしてもらうなら、チップ制度があった方がいいのかもしれない。明るい笑顔で"enjoy"と言われると、チップをはずみたくなる。