モスクワ地下鉄(その1)…1980年夏2014/03/15 07:31

海野弘編
『モダン都市文学Ⅸ 異国都市物語』
平凡社、1991年

中条百合子「モスクワ印象記」
   四月になった。窓から見えるクレムリンの赤旗は活々翻り始めた。空は碧い。白く小さい雲が空に浮き、日本女の狭い部屋の衣装棚の鏡に、金色の反射がちらついた。往来を隔てて彼方側の丘にある基督救世主寺院の金の円屋根から春の光が照りかえした。



    はじめて行った外国がソ連(ロシア)なので、海外での地下鉄体験も当地から始まった。最初にモスクワに宿泊したが、さっそく地下鉄に乗ってみる。モスクワ全体の印象は何もかもが大きく、ちょっと汚いという印象。地下鉄もあまりきれいとはいえないが、快適である。
   地下200メートルの世界に入っていく。戦争中は防空壕の役割も果たしていたと聞く。大理石、シャンデリアなどがあり、モスクワの地下鉄の駅は豪華だ。国威発揚の目的もあるのだろうか。大きな5カペイカのコインが切符代わりとなる。切符を買わなくてもいいので、とても便利だ。

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