レーニン廟…1980年夏2010/08/06 20:19

リュドミラ ウリツカヤ著、沼野 恭子訳
『ソーネチカ』
2002年、新潮クレスト・ブックス

 こうしてパーティは順調に進んでいった。ほろ酔い加減のガヴーリンは、瀕死の白鳥の物真似をし、それからレーニンを演じ、そしてアンコールに応えて、これはもうだれもが知っている十八番、ノミを探す犬の真似をした。その後、言葉あてクイズをすることになって、妖怪と六本足の牛が登場した。 



  ロシア革命の指導者レーニンの遺体が安置されている廟。ここで衛兵の交代式を見る。帝政ロシアはドイツから軍事指導を受けた。軍事に関わるいろいろな様式を受け継いだ。だからソ連兵はナチス式の行進をする。後に、独ソは戦うこととなる。歴史の皮肉ともいえる。


 近くで、父親が小さい女の子を肩車していた。その親子の会話がほのぼのとして、心が癒された。女の子は3歳か4歳くらい。ちょうど30年前のことだか ら、今は33、34歳。ソ連が崩壊して、もう20年近く経つ。肩車されていた日以降、あの子は二つの国でどんな人生を歩んだのだろうか。