エカテリーナ宮殿(その5)…1980年夏2012/03/20 14:27

井上靖著
『おろしや国酔夢譚』
1974年、文春文庫

  女帝はどう考えても六十二歳の年齢には見えなかった。肩には緋色のガウンを纏い、頭には小さな宝石が無数にちりばめられている王冠を載せていた。



 この地を訪問した時は、偉大なロシアの詩人の名にちなんだプーシキン市という名前だったが、今はサンクトペテルブルク市の一部となっているようだ。まだモスクワ大学やレニングラード大学が外国人に留学しにくい時代、プーシキン大学なら広く留学を受け付けるという時代もあった。
   ちなみに、ロシアでは帝政時代、ソ連時代、新生ロシア時代とわたって、国民は詩を愛し、詩人の地位も極めて高い。気に入った詩を暗誦している庶民も多い。酒の席で、ロシア人は憶えている詩を披瀝して、盛り上がることもある。これに比べると、日本では詩人の地位が低いなと思うことがある。日本の酒の席で漢詩や日本の詩を暗誦したらどん引きになるだろうか。

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