エジンバラのバグパイプ…2008年夏2012/09/28 19:57

イアン・ランキン著、延原泰子他訳
『貧者の晩餐会』
2004年、早川書房

<一人遊び---リーバス警部の物語---->
  死がささやかな出来事というわけではない。スコットランドのこの地域では、いや、スコットランドのどの地域であれ、そんなことはない。近所の窓のカーテンからこっそりと顔が覗き、庭の垣根越しに低い声で噂話が交わされる。画一的なうるさいコマーシャルや、さらに画一的なクイズ番組のやかましい拍手を流し続けるテレビの音が、いつもより幾分少なくなる程度だ。


 
  スコットランドのエジンバラ。街の中心街でバグパイプを吹く人がいた。バグパイプはケルト文化を代表する楽器だ。アイルランドでもバグパイプは有名だが、スコットランドのバグパイプとは少し違うらしい。スコットランド、アイルランド以外にも別の種類のバグパイプがあるようだ。
   このバグパイプの演奏を聞いたのは、比較的、朝早い時間帯だった。けっこう歳をめした方だったが、元気いっぱいの人だ。この人の写真はよく見かける。ほかの人のブログでも見かけるし、『スコットランド 歴史と文化、自然を満喫する(旅名人ブックス)』(日経BP社)という本の表紙にもなっている。