丹東鴨緑江(中朝国境)クルーズ…2014年春(その502018/02/11 06:48

村上龍著
『半島を出よ(下)』
幻冬舎、2005年

   シノハラが飼っているのはヤドクガエルと節足動物だけだ。


   これは中国だか北朝鮮だかよくわからなかった。ただ、もうクルーズが終盤に向かっているから中国側の領土だっただろうか。波も静かで酔うこともなく快適な航行だった。数分間しか乗ってない香港のフェリーでさえ酔ったことがある。船酔いの薬は飲んでいない。かなり眠気をもよおすからだ。


丹東鴨緑江(中朝国境)クルーズ…2014年春(その51)2018/02/12 05:39

村上龍著
『半島を出よ(下)』
幻冬舎、2005年

ベトコンはどんな小さな気配でも見逃さない。


   これが遊覧船の船内。このあたりはおばさんばかりが座っている。観光客は中国人ばかりだった。日本の観光客はこの時はいなかった。パッケージツアーを調べても、丹東までくるものはほとんど見かけない。この鴨緑江のクルーズをのぞくと、確かにあまり見るところはない。


丹東鴨緑江(中朝国境)クルーズ…2014年春(その52)2018/02/13 09:23

村上龍著
『半島を出よ(下)』
幻冬舎、2005年

熱帯雨林の中に鳥小屋は全部で四つあった。


   高層ビル群。こちらが中国側であることは一目瞭然。これだけビルの建設が進んでいることを見ると、そこそこ景気はいいのだろう。ただ、中国の場合、人がまったく住んでいないような建物も多いようだから、中国経済を見る場合は要注意だ。中国で個人ビジネスをしている日本人に会ったことがあるが、バイタリティーのある人が多いなと思う。


丹東鴨緑江(中朝国境)クルーズ…2014年春(その53)2018/02/14 08:38

村上龍著
『半島を出よ(下)』
幻冬舎、2005年

   韓国政府は、北朝鮮艦船の公海上の航行については関知しないという声明を出していた。


   これも観光船。中国の国旗も見える。もう船が丹東の港に入って、このクルーズも終わりになる。瀋陽からのオプショナルツアーだったので、そこそこの値段にはなってしまった。ガイドさん1名、ドライバー1名がついているので贅沢と言えば贅沢だ。日本ではまだ花粉がけっこう飛んでいたが、このあたりでは全然花粉症の症状は出なかった。


丹東鴨緑江(中朝国境)クルーズ…2014年春(その54)2018/02/15 10:25

村上龍著
『半島を出よ(下)』
幻冬舎、2005年


   北朝鮮の艦船はほとんど無防備で、しかも信じられないことにお互いの位置や速度を目測で確認して航行しているようです。


   中国に近い方でも北朝鮮の船が停泊していたりする。そんなにきれいな船ではないが、活動中のものらしい。鴨緑江のあたりはかつては林業が盛んだったようだが、北朝鮮の領土を見ると禿山が多く、とても適正な林業をしているようには見えなかった。虎山長城のあたりではそういう光景を目の当たりにした。


丹東鴨緑江(中朝国境)クルーズ…2014年春(その55)2018/02/16 08:34

村上龍著
『半島を出よ(下)』
幻冬舎、2005年

間近に見る死体には独特のムードがあった。


   北朝鮮の船のアップ。北朝鮮の国旗のマークが目立つ。鴨緑江の水はそんなに澄んでいるようには見えない。中国も北朝鮮も環境対策がしっかりしているとはいえないから、ここで魚がとれたとしても安心して食べられるような感じはない。そもそも魚釣りをしている人をまったくみなかった。日本の川だと必ず釣糸を垂れている人がいるが、ここでは太公望はいなかった。


丹東鴨緑江(中朝国境)クルーズ…2014年春(その56)2018/02/17 06:45

村上龍著
『半島を出よ(下)』
幻冬舎、2005年

キム・ヒャンモクは、夢の中で故郷の村の坂道を下っている。


   中国側の領土に近い方にも北朝鮮の船が並んで停泊している。このあたり中国と北朝鮮の共同プロジェクトが多いようで、北朝鮮の船が丹東の港にいてもおかしくはない。実際のところ、中国と北朝鮮の関係というのがよくわからない。中国は経済的には自由化をかなり進めて、多くの物資が流通している。


丹東鴨緑江(中朝国境)クルーズ…2014年春(その57)2018/02/18 09:34

村上龍著
『半島を出よ(下)』
幻冬舎、2005

   渡河の途中で溺れたと言う人もいたし、国境警備兵に捕まって処刑されたと言う人もいたし、延吉で朝鮮族の女と暮らしていると言う人もいた。


   これも出発の時とほぼ同じ光景。中朝友誼橋を多くのトラックが行き来している。ついてくれたガイドさんは北朝鮮には行ったことがないが、北朝鮮関係の仕事もあると言っていた。北朝鮮の人たちがほしがっているのは食料よりも人民元で、北朝鮮でも大きな影響力を持っているとのことだった。

    
   そして船から下船する。あっという間に時間が過ぎてしまった。



丹東鴨緑江(中朝国境)クルーズ…2014年春(その58)2018/02/19 08:38

山田敏弘著
『ゼロデイ--米中露サイバー戦争が世界を破壊する-』
文藝春秋、2017年

   中国の国家安全法は国民に当局者の命令・指示に従うことを義務付け、ホテルをはじめとする産業界に無制限の作戦協力を命じている。つまり、ビジネスマンが利用するホテルなどは音声や映像装置で監視され、国家安全部の職員がそれをモニターできると考えていい。そして価値ある情報は盗むのである。


   さて、この中朝国境のクルーズの直後にちょっとした妨害にあってしまった。クルーズを終えて、お昼を食べて、虎山長城に移動する段になって、公安の車で動けなくなってしまったのである。ガイドさん、ドライバーさんと一緒に車で移動していたのだが、その車がブロックされてしまったのである。ガイドさん、ドライバーさんが必死になってクラクションを鳴らして、公安の担当者を探し出した。その間、15分ー20分くらいかかってしまった。
   公安の担当者は謝る様子もなく、車を発進させた。インターネットを通じて、中国の旅行社にこのオプショナルツアーを申し込んだから、こちらの情報は筒抜けだったかもしれない。公安車による妨害は、意図的に行われたものか、単なる迷惑駐車なのか最後まで真相はわからなかった。


ブラチスラヴァからウィーンまでドナウを下る(その1)…2016年夏2018/02/20 08:39

赤川次郎著
『青きドナウの吸血鬼』
集英社文庫、2015年

<青きドナウの吸血鬼>
 「そう!あの人がね、ヨーロッパへ連れてってくれるって」


   ブラチスラヴァからウィーンまでバスで戻ろうとしたが、満員で乗せてもらえない。ほかの手段で帰るしかない。鉄道を利用する手もあるが、駅も近くでないし、面倒くさそうだ。ドナウ川を航行する船を使うしかない。どこで買っていいのかも最初はわからなかった。何とか船のチケットをとることができた。