オルセー美術館(その3)<ジュール・クータンの彫刻>…1998年夏2013/04/16 21:32

エミール・ゾラ著、清水正和訳
『制作(上)』
岩波文庫、1999年

   サン・ルイ橋(サン・ルイ島とシテ島を結ぶ橋)まで来たとき、クロードは、彼女の気づいていないようすのノートルダム寺院のうしろ姿を指さし示した。両脇を梁にに支えられ、うずくまり休息している巨大な怪物のうしろ姿である。その長い背の先端には、一対の、まさしく双頭の塔が、あたりを制圧するようにそびえているのが見える。

   絵画にしろ彫刻にしろ、ギリシャ神話やキリスト教の物語と関係している場合が多いので、日本人にはわかりにくいものもある。欧米の美術作品を鑑賞する際には、背景となる知識をできるだけ身につけておくことが望ましい。書物で読むのが大変なら、そうした映画を何本か観ておくのも良いだろう。
   これはジュール・クータン による"Chasseurs d'aigles"という作品。『イーグルハンター』とか『鷲を狩る人』という意味になるのだろうか。鷲とたたかっている場面のようだ。なかなか興味深い作品だ。