ワシントンの青空市場(その2)…2007年秋~冬2010/09/24 20:20

シドニィ・シェルダン著、天馬竜行訳
『空が落ちる(下)』
2001年、アカデミー出版

 ダナがワシントンのダレス空港に降り立つと、ダレー夫人がケマルと一緒に迎えに来ていた。久しぶりにケマルを見て、ダナの胸の中で抑えられていたものがわっとよみがえった。彼女は両手を大きく広げ、ケマルを思いきり強く抱きしめた。彼女の腕の中でケマルが言った。
「ハイ、ダナ。帰ってきてくれてうれしいよ。クマのおみやげ持ってきてくれた?」
「ええ、持ってきたんだけどね。途中で逃げられちゃった」


 カラフルな果物、野菜が沢山ある。バターナッツと書かれた野菜がある。日本のスーパーで見かけない野菜だ。どうやって料理するのだろうか。ただ見ていてだけで、楽しくなる。アメリカでは何もかもが大きい。国土も、人間も、野菜も。


 「お金を払う時は直前に」という注意書きもあった。あまりに早く財布を出すと泥棒に狙われるから注意しろということだ。青空市場の一つの売りは、生産者の顔が見えること、新鮮な食材が手に入ること、と関係者が言っていた。