ヘルシンキ--タリン間のフェリー航路(その32)…2013年夏2014/09/27 05:26

ケント・ハールステット著、中村みお訳
『死の海からの生還--エストニア号沈没、そして物語はつくられた--』
岩波書店、1996年

 時刻は夜の一〇時か一一時ごろだった。僕とサラのストーリーは夕方には広く知れわたっており、僕らがオーランド島から帰途にあるという情報も、すでにキャッチされていた。



 このフィンランディアという船もなかなかきれいなデザインの船だ。音符も書かれているし、フィンランドの有名な作曲家であるシベリウスの曲からとった名前だろう。なかなか長い休みがとれないので、どうしてもヘルシンキとタリンという短い航路に乗らざるを得ない。
   日本でも旅行会社に行くと、クルーズのパンフレットが目立つようになっているが、現役のサラリーマンが長期のクルーズに参加するのはハードルが高いようだ。参加者は、年金生活者など高齢者が圧倒的に多いようだ。
 以前、テレビ番組で豪華客船の日本人船長が「クルーズに参加した後、また仕事に戻っていただければいいのです。サラリーマンの方もどうぞご参加下さい」と言っていたが、なかなか普通の勤め人が長期の旅行をするのは大変だ。
   さて、そうこうしているうちにスーパースターはヘルシンキ港に近づいていく。なぜか一時よりも周囲が明るくなった気もする。