高雄のフェリー…2007年夏2014/12/04 12:02

邱永漢著
『たいわん物語』
中央公論社、1981年

〈奴隷婚〉
   陳さんは我々を自分のオフィスへ案内し、展示室のなかの商品を見せてくれました。つくっている工場も見せてくれないかと要求すると、二、三、近郊の工場にも案内してくれました。台湾なんて、経済の発展も日本より遅れているし、フォーマルな服装だってまだ整っていないのだから、スポーツウェアなんかまだまだだろうと思っていたら、それが逆なんです。



   台湾の高雄にやってきた。日本から直行便があって、とても便利だ。旗津という島があって、市内からはフェリーが出ている。旗津はそんなに大きな島ではないが、なかなか味わいのあるところだ。旗後天后宮など見どころが多い。
   高雄から島まではとても近い。島にやってくると、海鮮料理店がやたら多く並んでいた。生きた魚が生簀にいたりして、見ているだけで楽しかった。旗後天后宮もいかにも台湾らしくて面白かった。短距離のフェリーだが、こういうものに乗ると旅した実感を味わえる。